音声は目に見えないものですが、蓄積されたデータや技術を計測、分析技術を駆使することで目に見えた情報に変えることができます。そうしたアプリのひとつ、声だけで簡単にモチベーションの状態を可視化するアプリ「Motivel」を提供するリスク計測テクノロジーズが高齢者向けの分析サービスを開始しました。
声から得た“思い”を介護サービスの品質向上に活かす
リスク計測テクノロジーズ(横浜市中区)が提供する「Motivel」は、モチベーション(活動意欲)バイタリティ(元気)リラクゼーション(寛ぎ)プレジャー(喜び)といった指標を、わずか5秒の声だけで可視化することができるアプリです。
今回開始した介護サービスの分析は、Motuvelを2020年10月から導入し活用している介護サービス事業者のPRESENCE(横浜市金沢区)と連携し行うものです。
PRESENCEは、高齢者の元気な生活をサポートするため、ひとりひとりに見合った介護サービスの実現に取組んでいます。こうしたなかで、言語コミュニケーションに頼らず、介護サービスの満足度評価を客観的、定量的に行うためにMotivelによる計測を行っているといいます。
介護サービスが高齢者に与える影響については、朝と夕の計測を通じてデータに反映されることが分かっていて、こうした結果を通じて、介護サービスの定量的な評価が可能となり、サービス品質の改善につながる効果的で迅速なPDCAが期待できるようになります。
Motivelを使用しているPRESENCEは次のようにコメントしています。
「Motivelは、言語コミュニケーションに依存することなく、介護サービスに対するお客様の本音を可視化することに役立っています。個々の利用者様に応じたサービス改善のレベルアップを図ることで、当社施設へのお客様満足度及び信頼度の向上を期待しています。また、ベテランの介護スタッフが有する気づきや現場ノウハウの可視化にも役立っていることを実感しており、スタッフの採用にもプラスに寄与しています。」
PRESENCEにおける活用で一定のデータ量が蓄積されたことから、両社は介護サービス品質の一段の改善につなげるため、介護サービスが利用者に与える影響をデータから読み取る分析を開始に至ったということです。
今後の展開について、リスク計測テクノロジーズは次のようにコメントしています。
「当社は、「声を用いた介護サービスの可視化に向けたデータ分析」を通じて、介護に関わるステークホルダーのエンゲージメント向上に貢献できるようにMotivelの開発を進める予定です。例えば、介護施設と利用者様(ご家族を含む)、ケアマネージャー様、行政とのコミュニケーション向上に貢献する見える化ツールの開発を行います。」