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三重県東員町のAIと電力データによるフレイル予防、社会実装へ

介護・福祉

ネコリコ(東京都千代田区)とJDSC(東京都文京区)が三重県東員町で取り組む官民連携によるフレイル予防。実証の結果、有効が確認され、社会実装に進むことを発表しました。

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電力データとAIによるフレイルリスク検知と保険会社の社会貢献活動の組み合わせ

三重県東員町のフレイル予防は、電力データ収集の仕組みとAIを活用した分析をネコリコとJDSCが対応、自治体と明治安田生命が連携して訪問活動し、データ収集が難しい閉じこもりがちだったりフレイル予防への関心の低い住民へも普及啓発をおこないながら実施してきました。

東員町の電子データとAIを活用したフレイル検知の実証は、2020年から取り組まれています。

2022年からおこない、65歳以上の高齢者86世帯、109名が参加。
訪問活動では、電力データからAIが分析した自身のフレイルリスク変化に関する情報、フレイル予防に関する一般的な情報、東員町の行政サービス案内(通いの場や介護予防活動の情報など)を届けています。

三重県東員町のAIと電力データによるフレイル予防、社会実装へ

住民意識とリスク分析精度が向上、有効性を見出す

実証実験による成果のひとつは、行動変容の効果があったこと。
実証開始時は、年齢が若い層では約4割と低い状態だったフレイルへの認知度が、今回の訪問活動によりすべての年齢層で約9割まで向上。そのうちの約7割が、運動や食事バランスの改善などに取り組むようになっています。

もうひとつは、フレイルリスク検知AIの精度が向上したこと。事前・中間・事後の参加者アンケートにより、フレイルあるいは健康な状態かを測定するとともに、2021年12月から約1年間、参加者の自宅の電力データを取得。このデータを構築済のAIに追加学習させることで実証実験開始時に76%であった一人暮らし高齢者のフレイルリスク分析精度が95%まで向上させています。

三重県東員町のAIと電力データによるフレイル予防、社会実装へ

三重県東員町のAIと電力データによるフレイル予防、社会実装へ

こうして、自治体が主体となって高齢者に働きかけるアウトリーチ型の取り組みの有効性が確認できたことを受け、ネコリコとJDSCは、電力データから一人暮らし高齢者のフレイルリスクを毎月分析して自治体に提供するサービスを、2023年度より社会実装していきます。

フレイルは、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、適切な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずに済む可能性があることから、フレイルの早期発見、早期対応が重要なものとなっています。
東員町もそうであったように、多くの自治体ではフレイル予防の普及啓発が課題であり、特に社会参画が少なく閉じこもりがちな一人暮らし高齢者への対応が懸念されています。

社会実装に向け、自治体は高齢者のリスクに応じた適時適切なアウトリーチを地域関係者と連携して行うことが可能となり、フレイル予防活動の実効性を高めることが期待されています。

・関連リンク
合同会社ネコリコ
中部電力とインターネットイニシアティブの合弁会社として、暮らしを便利で快適にするIoTプラットフォームを提供
https://www.necolico.co.jp
株式会社JDSC
フレイル検知や教育など、基幹産業を中心とした幅広い分野でAIソリューションを提供
https://jdsc.ai
東員町
https://www.town.toin.lg.jp

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