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健康寿命延伸に必須!? ウェアラブルパッチの主要プレーヤーが国内展開へ

健康寿命延伸に必須!? ウェアラブルパッチの主要プレーヤーが国内展開へ 製品・サービス

[Medtec Japan]介護・医療の現場で注目される技術のひとつがウェアラブル。介護分野との相性も良く、体に装着して運動量測定などトレーニングに活用する事例なども増えています。そうしたなか、今後市場の拡大が予測されているウェアラブルパッチが注目されています。主要プレーヤーのひとつである米VivaLNK社のソリューションをプレモパートナーが国内に展開する予定です。
※「Medtec Japan」は2021年4月14日(水)~16日(金)、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されました。

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ウェアラブルパッチの市場規模は右肩上がりで成長

介護・医療分野では、ICTを含めさまざまなテクノロジーが現場の在り方を変えてきました。この先も先進的なテクノロジーによる効率化が期待されますが、そのひとつがウェアラブルでしょう。

広くウェアラブルデバイスという視点で見ると、もともと一般消費者向けから販売されてきましたが、体に装着して生活データや生体データを測定するウェアラブルデバイスは、介護分野、高齢者との親和性も高く、リハビリやトレーニングなど用途を広げてきました。

ウェアラブルの中でも、介護・医療分野で注目される技術にウェアラブルパッチがあります。その市場性を示す調査結果が公表されました。

市場調査レポートプロバイダーであるReport Ocean社(米国ミシガン州)が発行したレポート「ウェアラブルパッチ市場、製品別、エンドユース別:機会分析と業界予測、2021-2027年」(※)によると、世界のウェアラブルパッチ市場は2020年に134億ドル、年平均成長率を示すCAGRは2021年から2027年まで2桁成長に迫る9.8%を記録し、2027年には市場規模は257億7000万ドルに達すると予測されています。
(※)2021年5月14日配信のプレスリリースより

日本を含むアジア太平洋地域の市場は、日本、インド、中国のウェアラブルパッチへの意識の高まり、可処分所得の増加、ウェアラブルパッチの使用の増加で、予測期間中に収益面でもっとも速いCAGRを記録すると予想されています。

世界最小クラスのパッチも。介護分野にも注力

ウェアラブルパッチは、一般的に電子皮膚やスマートパッチとして知られているもの。薄くて小さく、柔軟性があり、センサー、アクチュエーター、エネルギー貯蔵システム、通信システムなどのさまざまな電子部品で構成されています。有線のハブにつなぐ拘束性がなく、一定の間隔でデータを収集し、接続されたスマートフォンや健康情報システム(HIS)にワイヤレスでデータを送信します。

その主要プレーヤーの1社が米国のVivaLNK社。ヘルスケアテックのスタートアップで、独自のウェアラブルセンサによるソリューションを展開しています。
国内での展開は、医療機器開発のインキュベーターとして市場での展開を多角的にサポートするプレモパートナー(東京都中央区)が担う予定です。

体温センサ、心電図センサ、Sp02(血中酸素飽和度)モニターが主要製品。
それぞれの特長は以下です。

心電図(ECG)センサ

  • 7.5㌘、ECGパッチとして世界最小クラス
  • 複数のバイタルとパラメータ:心電図、心拍数、呼吸数
  • 24時間のデータ保持
  • 3日間連続稼働

温度センサ

  • 7.2㌘の軽量設計
  • 腋窩検温
  • 20時間のデータ保持
  • 21日間連続測定

Sp02(血中酸素飽和度)センサ

  • 酸素飽和度、脈拍測定
  • 10時間のデータ保持
  • 10~16時間連続稼働

 

健康寿命延伸に必須!? ウェアラブルパッチの主要プレーヤーが国内展開へ

サイズ感がわかるように名刺と比較。オーバル形が心電図センサ、波形が体温センサ

健康寿命延伸に必須!? ウェアラブルパッチの主要プレーヤーが国内展開へ

管理用ダッシュボード。利用者ごとにバイタルデータがリアルタイムに表示される。

 

利用者を有線のハブにつなぐことがないため、違和感なく常時装着が可能です。
センサで取集した膨大なバイタルデータはクラウド環境で管理、どこからでもアクセスが可能なので、リモートでのモニタリングにも活用できます。

プレモパートナーでは「医療現場はもちろんですが、介護現場での導入を推進したいと考えています」(ディレクター・杉本宗優氏)としています。

少し前のデータになりますが、内閣府「平成29年版高齢社会白書」での調査で、介護を受けたい場所」や「最期を迎えたい場所」として、施設や医療機関を抑えてもっとも多かった場所が“自宅”でした。
遠隔ニーズの高まりを示すものでもあり、また昨今のコロナ禍による非接触ニーズも重なって、介護現場では見守りシステムをはじめ効率的なモニタリングを実現する事例も増えてきました。

モニタリングによる状況の可視化が適切な介護につながることから、本人のQOL(生活の質)向上にも大いに役立ちます。

増え続ける遠隔化、非接触ニーズにおける見守り、介護予防のプラットフォームとして、必須アイテムとなる可能性を感じさせるウェアラブル。健康寿命延伸を支えるソリューションとして、介護現場の持続可能性を担う躍進に期待したいところです。

▼関連リンク
プレモパートナー株式会社 http://www.premopartners.com/

樋口 泰光

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