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介護サポートの先進技術はさらに利便性の追求へ ~介護&看護EXPOレポート

介護サポートの先進技術はさらに利便性の追求へ ~介護&看護EXPOレポート ICT・テクノロジー

進むことはあっても止まることはない少子高齢化。少子高齢化社会を支える介護業界はその業務の過酷さで有名です。高い離職率により、常に人手不足にあえいでいます。テクノロジーの導入による働き方改革が特に必要な分野です。
  
そのソリューションが集まるのが10月14日(水)から16日(金)幕張メッセで開催されてる「介護&看護EXPO」です。なんと今回で第3回を数え、今回初出展は110社に及びます。一般的な見本市、展示会に比べ私服の方が目立ちます。私服の方の胸元を見ると、多くが介護事業者・関係者とありました。介護施設の現場で働いていらっしゃる方々も、如何に現場を改善するかソリューションを探りに来られていたようです。
  
会場にお越し頂けない方のためにcareitは注目すべき出展者についてご紹介します。

介護サポートの先進技術はさらに利便性の追求へ ~介護&看護EXPOレポート
「介護」と「看護」分野の製品・サービスを網羅した専門商談展。今回は420社の企業や団体が出展
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ナカ工業「サポート手すり」

同社が提案するのは、サポート手すり。障害、麻痺がある人、車イスの人はお手洗いの際、介助や立ち上がるための手すりが必要になります。
手すりがあれば、車いすの人が立ち上がりやすく、姿勢が安定します。手すりがないと、被介助者は壁に寄りかからなければ便器に座ることができません。それが転倒、ひいては更なる障害悪化のリスクとなっていました。手すりを一つお手洗いに設置するだけで、転倒の危険も減りこれまで2人の介助が必要だったのが、1人の介助者で済むようになります。
車イス用のレストハンド型製品は、手すりの位置が45度なので自然に便器に移動できます。手すりが高すぎず、低すぎずちょうどいい位置にあることで、様々な身長の人に対応可能です。
  
こうした手すりの従来製品はアンカーで固定しなければならず、しかもスペースが必要でした。このサポート手すりは小型なので、在宅介護向け製品としても活躍が期待されます。また、壁に穴をあける必要もないため、自宅で気軽にレンタルがしやすいです。
手すり一つで被介助者のできることは大幅に増えます。麻痺や障害があっても、できることは自分でやる。それが身体レベルの維持や、被介助者の尊厳を守ることにつながります。

ナカ工業「サポート手すり」
立つ・座るなどそれぞれのパターンをサポート
ナカ工業「サポート手すり」
もたれかかっても支えてくれる
ナカ工業「サポート手すり」
座った姿勢を支える実現

関連リンク https://www.naka-kogyo.co.jp/products/ainote-resthand.html

マッスル「抱っこ式リフトSasuke」

自分で起き上がるのが困難な方をベッドから移動させるには、先ず身体を持ち上げる必要があります。その際必須なのがリフトです。このリフトは通常大型で高価なため、導入できない現場も多いです。また、常に転落の危険を伴うものでした…
  
同社が提案するSasukeは、従来の吊り上げリフト式ではなく横からの抱っこ式リフトになります。専門のメッシュシートを身体にまとい、シート上下にアームを入れて身体を抱えます。被介助者を拘束する必要がなく、被介助にとってはハンモックに寝転ぶのと同じで楽です。一度シートにアームを通せば、そのまま移動も可能で、リクライニングチェア等に下ろせます。安全に介助が必要な人向け、120Kgまでの耐荷重。リフトのような装置が必要だがリフトは使えずに困っているという現場の声が開発につながったと言います。リフトより操作が楽で、アームにシートがかかってなければ上がらない構造なので安全です。
  
抱っこ式リフトは、試作品としては大学で開発されたものが報告されているものの、製品としては珍しいといいます。開発には著名なデザイナーの喜多俊之氏が関わっており、従来の介護用製品の枠にとらわれず現場に必要なモノを作る、という信念を感じます。

マッスル「抱っこ式リフトSasuke」
リクライニングチェアに下ろす実演
マッスル「抱っこ式リフトSasuke」
Sasuke専用メッシュシート
マッスル「抱っこ式リフトSasuke」
利用者を持ち上げる実演

関連リンク https://www.musclerobo.com/

エヌジェイアイ 「振動検出センサ 安心ひつじ」

被介護者、特に持病のある方の就寝中は心配だらけですが、見に行くと睡眠を阻害ことにもなります。マットレスの下に敷くタイプのセンサがあれば、睡眠中の被介護者の様子を手に取るように知ることができます。
  
同社の「安心ひつじ」はセンサと管理システムで睡眠中の心拍数と呼吸を監視します。センサが感知した情報はPC、タブレット、スマホで共有できます。介護施設において巡回を減らすことにつながり、本システム導入で実際に無くした例もあるそうです。見回る必要がないことで睡眠中の人を起こさずに済むのも、利用者の満足感向上につながります。護者は起床後も見守りは欠かせません。カメラで監視されるのは嫌という利用者も少なくありません。同社提案の個人を特定せずに人の動きだけを捕捉するシルエットカメラは利用者に余計な心理的負担を与えません。

NJI「振動検出センサ 安心ひつじ」
マットの下に敷く振動検出センサ
NJI「振動検出センサ 安心ひつじ」
センサからの情報管理システム

同社は様々な介護用監視機器を統合管理するシステムも提案してます。こちらはNECとの共同開発で、工場管理システムを介護用に応用したものになります。工場と介護現場の状況は全く違う、と思われるかもしれません。実は複数の場所の状況を監視し情報を管理、異常を直ぐ中央へ通知するシステムは、多くの利用者様を抱える介護施設にピッタリです。被介電話で音声アラームも飛ばせるのでスタッフの見落としも防げます。
こうしたソリューションは全て介護現場で最も深刻な人手不足解決につなげたいという思いによるものだそうです。

NJI「振動検出センサ 安心ひつじ」
モーションカメラなど工場管理を応用した施設監視システム

関連リンク https://www.anshin-hitsuji.jp/about.html

FUJI 「移乗サポートロボット Hug」

介護ロボットは介護業界のみならず一般社会においても関心が高い分野です。同社の移乗サポートロボット「Hug」は、通常それぞれの場所に固定される移乗サポート器具を場所の軛から解放しました。手すりのように設置しないので、あらゆる場所、場面で臨機応変に使用が可能です。お手洗いでは車イスから便器へ、食卓では車イスからイスへと移乗を助けます。特にスペースに余裕がなく、必要な場所ごとに手すりを設置できない場所で威力を発揮するでしょう。要介護度の低い方なら人間が介在することなく介助が可能、重度の要介護者でも介助者の負担を大幅に減らすことができます。
  
要介護者でも介助者が一人つくだけで、一人で排泄することが可能になり、重度の要介護者をおむつから解放します。おむつをはくことに伴うかぶれを防げるだけでなく、何より最も人の自尊心を傷つける排泄の介助から被介護者を解放します。
  
介護者を新規に雇うより導入費用が安いので、慢性的な人手不足に悩む施設の方々にとって救世主になるでしょう。

フジ「移乗サポートロボット Hug」
Hug本体
フジ「移乗サポートロボット Hug」
フジ「移乗サポートロボット Hug」
体重のある人による使用実演

関連リンク https://www.fuji.co.jp/items/hug/hugt1

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