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介護サポートの先進技術はさらに利便性の追求へ ~介護&看護EXPOレポート

介護サポートの先進技術はさらに利便性の追求へ ~介護&看護EXPOレポート ICT・テクノロジー

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積水化学「起き上がりセンサー ANSiEL」

同社が提案するのは高精度起き上がりセンサー「ANSiEL」です。マットの下に敷くセンサでベッドの上の人の動きを検知します。
高精度の秘密は同社の本業で得意分野の素材にあります。センサを覆う発泡シートは僅かな圧力変化により変形し、利用者のちょっとした動作をセンサでを捉えることが可能になります。もちろんセンサが感知した情報はWi-Fiを通じPC、タブレットで共有できます。利用者が起床のため身体を動かした段階で通知が届くので、起き上がり時の転倒を予防可能です。

積水化学「起き上がりセンサー ANSiEL」
マットの下に敷くセンサ
積水化学「起き上がりセンサー ANSiEL」
センサからの情報管理システム

同社は物に噴射する抗ウイルス・スプレー「NOWCARE」も展示していました。こちらは30秒で噴射が完了し、その後1か月間効果が持続します。このスプレーの成分はウイルスの表面にある突起(エンベロープ)を捕捉、不活性化し、ウイルスが人の体内で受容体に結合し感染するのを防ぎます。インフルエンザ予防のための製品ですが、同じくエンベロープ型のコロナウイルスに対しても効果が期待できます。常時多くの人がいる介護施設でウイルスの集団感染を防げるでしょう。

積水化学「起き上がりセンサー ANSiEL」
抗ウイルススプレー

関連リンク  https://www.s-ansiel.com/

サン・パシフィック・エンタープライズ「非接触型機器」

同社はホテル業界から参加という珍しい例です。同社の特徴として技術は勿論ですが、サービス業の思想に裏打ちされた製品にあります。それはサービス提供者の都合よりサービス利用者の快適性を最優先することです。そしてまた快適性向上のためには「クール」、「スタイリッシュ」さを追求することが重要と同社は語ります。
  
提供するのは、コロナウイルス対策の持ち込まナイ、さわらナイ、残さナイの3”ナイ”を目指す非接触型機器です。介護施設は「密」でありホテル以上に滞在時間が長い場所です。ウイルスを恐れる施設利用者のため、接触せずに動作する機器の需要は高いでしょう。多くの来場者の目を引いていたのは、非接触型ゴミ箱の「EKO センサービン」です。こちらはゴミ箱のフタに手をかざすと自動で開きます。5秒後にフタは自動で閉じます。ゴミ箱はそもそも汚いものであまり手を触れたくありません。さらに昨今のコロナウイルス騒動で利用者の中には、人の接触が多い場所に手を触れたくない方も増えてるはずです。
  
人によっては居住するほど長く滞在しなければならない介護施設。如何に利用者の快適性を高め、それにより介護者を働きやすくするか。そのヒントが同社のブースにはありました。

サン・パシフィック・エンタープライズ「非接触型機器」
サン・パシフィック・エンタープライズ「非接触型機器」
体温・マスク着用チェックする検知器
サン・パシフィック・エンタープライズ「非接触型機器」
手をかざすとフタが開くゴミ箱

関連リンク http://www.speamenity.com/exclusive-brands/with-corona

シンセイコーポレーション「睡眠時モニタリングシステム スリープトラッカー」

同社は睡眠時のモニタリングシステムを提供されていました。これまでご紹介した製品と一味ちがうのは、睡眠品質向上から生活改善を目指すという方向性です。
  
睡眠の品質向上のためにはのデータが必須です。そのためのソリューションが「スリープトラッカー」です。心拍数、呼吸数始め総合的な睡眠データを収集します。センサ自体の厚さも2mmしかないので睡眠を妨げることはありません。当然リアルタイムにモニタリングするので、介護者による利用者の見回りを減らすことができ、急な異変にも直ぐ対処可能です。
  
収集されたデータは専用アプリで分析され、睡眠スコアが算出されます。それを元に介護者は利用者の健康状態を把握し、健康増進のため適切な対策が可能になります。また、同社はそれ自体で睡眠を改善する機器も提供します。スリープライトは光とヒーリングミュージックで睡眠ホルモンのメラトニン分泌を促進します。アロマを出す機器もあり、視覚以外の五感から睡眠を促します。
  
利用者の睡眠を向上することで健康問題、問題行動を減らし、ひいては介護の手間を減らす。介護施設の業務量を1/10にすることが可能と同社の方は胸を張っていました。

シンセイ「睡眠時モニタリングシステム スリープトラッカー」
マットの下に敷くセンサ
シンセイ「睡眠時モニタリングシステム スリープトラッカー」

関連リンク https://www.shinseicorp.com/

三井化学「睡眠モニタリングセンサ ピエゾラ」

同社は他社とのコラボレーション製品を提案し、またその会社と共同出展していることで来場者の目を引いていました。同社がIoT企業ZWorksとの協力によって生まれたのが、睡眠モニタリングセンサの「ピエゾラ」です。同社は素材企業として蓄積されたノウハウを活かし、高い感度、柔軟性をもつ接触、振動検出センサを開発。マットレスを通じて伝わる僅かな振動から、心拍数、呼吸また利用者の離床状況を検知します。そしてZworksのクラウドへ送信され分析を経て、同社の介護支援システム「ライブコネクト」で共有、可視化されます。
  
介護者は巡回を減らし適切な場面のみ駆け付けることができるようにすることで、同社が訴える「頑張らない介護」を実現できるというわけです。ライブコネクトの特筆すべき点は、クラウド型システムであるにも関わらず、外部とつながる有線ネット線が不要という点です。有線回線に基づくWi-Fiがない施設内でも、携帯SIMを差し込むことで携帯回線を通じクラウドと接続できます。またやり取りするデータは、振動、心拍数など基本的に数値情報なので携帯回線の少ないデータ量で済みます。

三井化学「睡眠モニタリングセンサ ピエゾラ」
睡眠モニタリングセンサ
三井化学「睡眠モニタリングセンサ ピエゾラ」
ライブコネクトによる介護施設の個室モニタ実演
三井化学「睡眠モニタリングセンサ ピエゾラ」

関連リンク https://jp.mitsuichemicals.com/jp/service/next_generation/iot/piezoelectric-line/index.htm

グローバル電子「ナーシングガード/ハイスピード離床センサー」

介護を受ける方のベッド周りでのトラブルや異変を離れた場所で察知できる同社の離床センサー。昨年の介護&看護EXPOではプロトタイプの展示で注目を集めていました。今回は、進化した製品版となり、オールインワンタイプのスリムなボディの量産モデルとして登場しました。
  
片手で持ち運びができる着脱自在の本体には、上下に2つのサーモセンサー、内部に情報を発信するためのWiFiユニットを装備。上のセンサーでベッド上、下のセンサーでベッドサイドの身体の動きを検知して、瞬時にその情報を発信します。センサーは動きを見ながら次の動きを予測して情報を伝えようとするので、非常にスピーディな情報発信を実現しています。情報はPCで受信して様々なシステムとの連動が可能です。
  
会場では日立システムズ「福祉の森」との連動によるデモが行われていました。安心安全をモットーとする介護現場での活躍が大きく期待できる製品です。

グローバル電子「ナーシングガード/ハイスピード離床センサー」
ハイスピード離床センサー本体(左:前面/右:後面)
グローバル電子「ナーシングガード/ハイスピード離床センサー」
市販の介護ベッドに装着(マットレスは同社の多機能介護マットレス)
グローバル電子「ナーシングガード/ハイスピード離床センサー」
日立システムズ「福祉の森」のアイコン表示一例

介護ベッドには、同社の体動センサーを内蔵する多機能介護マットレスも配置されていました。プロファイル加工の体圧分散マットレスを採用。呼吸や心拍で異常を検知し、オプションで血行の促進が期待できるリラフィール(マッサージ機器)を装着することも可能です。介護を受ける方のコンディションによって、ハイスピード離床センサーにあわせて活用することで、さらなる安心を得ることができます。

関連リンク https://www.gec-tokyo.co.jp/kaigo/nursing-guard

     
介護業界は他業界とコラボすることで更にその可能性を高められる、と感じる展示でした。

Report & Photo:並木宜史

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