[CareTex福岡/北九州市]高齢ともなると何らかの疾患が見つかりやすく、多くの方が複数種類の薬を服用することに。とはいえ、本人任せでは飲み忘れたり、飲んだことを忘れて重複服用してしまったり。そんな身近なお困り事を解消してくれそうな東洋電装(広島県広島市)のお薬ボックスを紹介します。
体が不自由な人でも簡単に薬の服用が可能に
市販のケースを使ったり、自作で箱を用意したり、薬の飲み忘れ・飲み間違い対策にいろいろ工夫されている方が多いようです。「かわいいポーチで薬を渡したらきちんと飲んでくれた」という意見もあり、ちょっとした工夫が功を奏すこともあるようです。
そうした、施設や在宅介護での困り事を解決してくれそうなツール・お薬ボックスが、東洋電装ブースで参考出品として展示紹介されていました。
軽くハンドルを回すだけで、1回分がパックされた繰り返し分包の一包分が出てきて、付属カッターで袋の口を開けた状態でカットできるというもの。
開発は、上肢に麻痺のある方とのやり取りがきっかけに。麻痺があると薬を取り出すこともひと苦労。
「そこで、どういう動作ならできるのか確認したところ、手首を動かすことならできるということで原型を考えるに至りました」と教えてくれたのは開発者である生田渉(わたる)氏(介護医療システム事業 西日本エリア担当)。
実はシンプソンズという漫才コンビで活躍された元お笑い芸人。「プロフィールはウィキペディアを見てください」というので見てみました。
・岡山NSC(吉本総合芸能学院)1期生。
・漫才の始めにはいつも「しーん、そーん」と言う。
・ツッコミ担当だが、時々ボケる。
・エリンギに似ていると言われる事がある。
ちなみに同期には、かまいたち、藤崎マーケット、天竺鼠、和牛、しずる、バイク川崎バイク、守谷日和、アキナ・山名文和、アインシュタイン・河井ゆずる、ハリセンボンなどで、笑いの天才的な人たちが集った世代…
時を戻そう。
ICT端末、ハンドル自動化への開発も着手
見た目はシンプルなお薬ボックスですが、
- 一包分を取り出したときには付属カッターで袋が開封できている
- 繰り返し分包が入った段ボール箱をそのままセットするだけ
- 繰り返し分包を順番に取り出せることで誤飲を防ぐ
という細やかな工夫が施されていることには、大いに感心しました。
また、薬袋をはさむローラー部はカプセルでも引っ掛かることなく引き出せる稼働タイプになっています。
ちょっとしたことで服薬へのモチベーションは高まるもの。“ガチャガチャ”ではないですが、楽しみながら服用促進、誤飲防止につながるような印象です。
今年の夏ごろには商品化されそうですが、それだけでは終わりません。
次のステップとして、ICT端末化、ハンドル自動化を目指し、すでに開発に着手しているそうです。
「薬を取り出すとクラウド経由でスマホに通知が届く機能を備えて、介護職員や家族が服薬状況を簡単に管理できるようにしていきます」(生田氏)ということで、それも年内には完成できる見込みとのこと。
商品名は、お薬ボックス“わたる”(仮)。
「薬が手にわたる、体に染みわたる、そして生田わたる、と」
商品もきっと多くの施設に行きわたることでしょう。
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東洋電装株式会社 http://www.t-denso.com