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3自治体が採用したゲーミング型LINEヘルスケアDXとは!?

3自治体が採用したゲーミング型LINEヘルスケアDXとは!? ICT・テクノロジー

経済産業省が開催するガバメントピッチ(令和3年度)で、複数の自治体とマッチングが成立したシステムに注目が集まっています。

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自治体と企業をマッチングするガバメントピッチ

高齢化・人口減の進展に加え、昨今の新型コロナ禍にあって課題が多様化・複雑化しているのがヘルスケア分野。ガバメントビッチは、そんなヘルスケア分野(健康増進・介護予防・疾病予防・生活支援等)の地域課題を乗り切るための一助として開催されたもので、自治体から発信される課題・ニーズに対し、ICT企業がソリューション提案するオーディションの場となるものです。

2020年10月に経済産業省関東経済産業局の主催で、茨城県大子町、東京都八王子市、府中市、西東京市の4自治体が参加しておこなわれたのが最初です。
2021年は厚生労働省東海北陸厚生局、経済産業省中部経済産業局と経済産業省関東経済産業局の2回目となるピッチがいずれも10月に開催されたところで、この先も継続されていきそうな気配です。

その2回目となった“関東ピッチ”は以下6自治体が参加、このほど成立した11件のマッチングが公表されました。

1.豊島区 高齢者福祉課(東京都)×サンドディー・アイ・ジー
テーマ:ひとり暮らし高齢者が安心して暮らせるまちを目指して ~地域の力とICTで高齢者のいきがいを支える~
サンドディー・アイ・ジー『「街歩きを楽しむ」というエンタメとヘルスケアを組み合せた健康づくりサービスにより、運動の習慣化を提案』
2.島田市 包括ケア推進課(静岡県)×MJI
テーマ:高齢者の健康寿命延伸を目指して ~IT活用で効果の見える健康体操、自宅から離れた人と繋がる方法~
MJI『見守り会話ロボット「タピア」を活用し、遠隔地の家族・通いの場、介護施設等とのコミュニケーションの促進を提案』
3.三島市 地域包括ケア推進課(静岡県)×サンドディー・アイ・ジー
テーマ:お元気シニアがいつでも繋がる 交流支援
サンドディー・アイ・ジー『LINE上で市・通いの場・高齢者の3者がつながり、コミュニケーションを促進するしくみを提案』
4.松本市 商工課(長野県)×シルタス、ジャパンヘルスケア、歯っぴー
テーマ:“1万人”の健康無関心層を動かすためには?松本市の挑戦
①シルタス『食事管理アプリ「SIRU+」の活用により、買い物結果を自動で記録し、栄養状態の把握と最適な食材・レシピ提案を行うことで、健康的な食生活の実現を提案』
②ジャパンヘルスケア『足の健康診断サービスとその結果に基づいたカスタムインソールの提供により、要介護リスクの減少と健康意識の向上を提案』
③歯っぴー『着色剤を使わずに口腔細菌を検出するDental Lightを開発。専門医の眼をAI画像処理で再現することで、スマホの写真から歯周病リスクを予測』
④サンドディー・アイ・ジー『コンテンツ・マーケティングの設計・運用をサポート。MAチャットボットや記事配信システムを活用した企業向けのLINE運用ツール「COMAKI」を提供』
5.さいたま市 未来都市推進部(埼玉県)×トラヴォス、ベスプラ、歯っぴー
テーマ:求む!『革新的ヘルステック』による健康まち経営~データで知る“今”の自分、データで変わる“未来”の自分~
①トラヴォス『LINEを活用した対話型チャットボットサービスにより、肩こり・腰痛改善、転倒予防のセルフケアプログラムを提案』
②ベスプラ『脳と体の健康維持アプリと健康ポイントサービスを提供。自治体の費用負担に頼らない持続可能な健康セルフケアの仕組みを提案』
③歯っぴー『AI画像処理技術を活用したお口の健康検査により、口腔ケア意識の向上を提案』
6.岩泉町 政策推進課(岩手県)×医針盤
テーマ:“自らの健康は自ら守り育てる”健康データを活用した寄り添い支援
医針盤『健康管理アプリを活用し、将来の健康予測と適切な運動・食事提案による行動変容のしくみを提案』

 

3自治体とマッチング成立したサンドディー・アイ・ジーのソリューション

このなかで、3つの自治体と成立した唯一のベンチャーがサンドディー・アイ・ジー(東京都港区)。いまとは異業界となる音楽業界のエイベックスなど数社を経験したCEO青木忠大氏が2014年に創業した会社です。

同社の軸となるソリューションが、LINEを利用した「COMAKIロゲイニング」というチャットボット型システム。

3自治体が採用したゲーミング型LINEヘルスケアDXとは!?

ロゲイニングとは、チェックポイントを巡るオリエンテーリングのことで、それをLINEアプリと連動させることで、スマホだけで楽しく、街歩きができるシステムです。
他にも、トーク機能を使った使用者同士のコミュニケーションや、歩数計測、カロリー消費量、フレイル(筋肉量)チェックなどの健康記録管理機能を備え、さらには災害や防犯などのニュース配信なども行うことができます。

高齢者が使いやすいことが最大の特長で「楽しく散歩をしながら」健康習慣を身につけてもらうための「ヘルスケアDX(デジタルトランスフォーメーション)」で、LINEを利用した健康記録管理システムです。

これまで高齢化社会を見据えたヘルスケアのための取り組みが数多行われていますが、「高齢者が、楽しみながら健康維持ができる」ゲーム感覚のシステムがなかったことが、大きなアドバンテージとなっているようです。

例えば松本市の場合、「松本城コース」「ワイン畑巡りコース」「善光寺御利益コース」「動物ふれあいコース」など、アプリ上に風光明媚な松本市およびその周辺エリアの特徴(写真スポット/史跡/モニュメントなど)を生かしたロゲイニングコースを複数用意しておきます。利用者は、LINEアカウントをお友だち追加するだけで、ロゲイニングの中から好きなコースを選び、スマホひとつで街歩きを楽しむことができます。

また同社は、各自治体から評価を受けた点を次のように分析しています。

  • LINEという国内で最も浸透しているアプリを利用することで、初めて参加する高齢者のハードルを低くし、使いやすさによる継続性を高められる。
  • 運動量、歩数、カロリー消費といったヘルスケア指標そのものを入口にせず、「街歩きを楽しむ(ロゲイニング)」ことで、自然にヘルスケアにつながるという「エンターテインメント性のある「ヘルスケアDX」のユニークさ。
  • 街歩きの中に、歴史、文化、名所、名物、自然といったコンテンツを織り込むことで、地元の良さを再発見し、地元への愛着が生まれ、地域経済が活性化される。
  • LINE運用ツールとしては、当社が国内で唯一提供している記事提供システムを応用した、高齢者向けの健康関連記事の自動提供・更新ができる。
  • 高齢者が散歩に行く頻度が増えることで、運動不足を解消し、サルコペニア肥満を減らすことで、認知症になるリスクを減らす。それによって、保険、介護予算が削減できる。

今後について同社は、

2022年4月に始まる三島市との実証実験、さらに、豊島区、松本市との調印、実証実験等を行う予定です。これら実証実験の様子は、メールマガジン、Blog、SNSなどで紹介していきます。
さらに、それらの経験を活かし、他の自治体と地元企業と連携させた「COMAKIロゲイニングDX」を開発していく予定です。

としています。

また、マッチングした3自治体との実証実験を活かし、政府が発表した「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、「デジ田(でん)甲子園」での優勝という目標も掲げています。

3自治体が採用したゲーミング型LINEヘルスケアDXとは!?

 

・関連リンク
▼経済産業省 関東経済産業局
「ガバメントピッチ」を通じてマッチングが成立、課題解決に向けた実証に取り組みます
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/iryokiki/healthcare/20220323jichitai_venture_matching.html
▼三島市(静岡県)
「みしまスマイル」の運用開始について(市長定例記者会見・冒頭4)
https://www.city.mishima.shizuoka.jp/ipn050870.html
▼「COMAKIロゲイニング」への自治体、企業の参加応募ホームページ
https://comaki.sunds.jp/rogaining

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