各個人の認知症症状の将来予測を行うAIの研究・開発を続けるフューチャーが、ヘルスケアアプリを展開する日本テクトシステムズと業務提携を発表しました。認知症やAIに関する両社の深い知見の組み合わせで、予測AI研究が大きく進展するものと思われます。
高齢者認知症は5年後には730万人に
65歳以上の高齢者の割合が28.4%に達しているなか、2025年には30.0%を超えると予想されています。心配が増すのが認知症で、内閣府による高齢社会白書(平成29年版)によると2025年には認知症高齢者が730万人を超えると推計されています。
それにともない拡大する生活の質の低下、介護の負担、社会保障費などへの対応は喫緊の課題となっています。
認知症には様々なタイプがあり、治療可能な認知症かどうかを事前に正しく判定する方法や病型の分類には大きなニーズがあると考えられています。
フューチャーのAI実装実績に日本テクトの知見が融合
こうした社会的課題に、AI技術を駆使し、高齢者認知症の対策に貢献しようとする企業がフューチャー株式会社です。小売業や製造業、公共事業をはじめ多種多様な企業のIT戦略パートナーとして、多彩なシステム構築やコンサルティング業を展開していますが、AIに関してもその技術をいち早く実際のビジネスに活用するプロジェクトを推進し、これまでに機械学習・深層学習技術の知見と実装力を培ってきています。
AIがメイクのアドバイス(判定)を行うスマホアプリや、法人向けの融資審査への応用、治療ワクチン抗体誘導ペプチドの実用化に向けた抗原探索システム開発など、ジャンルを問わずAI技術を課題解決に活かしています。
認知症の精密な診断には、神経心理検査(認知機能等の評価)、MRI画像検査(脳の萎縮等の評価)等が必要です。それらに関連する深い知見を備えている会社が、日本テクトシステムズ。ヘルスケアアプリ「認知機能みまもりAI【ONSEI】」、神経心理検査実施支援システム「SHINRIシリーズ」といった製品群を有しており、この両社の提携は高齢者認知症の予測AI研究を大きく加速するものとなります。
高齢者認知症の予測AIアルゴリズムを共同開発
今回の研究では、日本テクトシステムズの「SHINRIシリーズ」「MRI-TAISEKI」を中核として得られるデータを活用し、フューチャーの強みであるAI技術の目利き力・社会実装力と組み合わせ、治療可能な認知症の判別・病型分類、そのほか認知症に関わる各種の予測に関するAI技術の開発を行っていくものです。。
また両社は今後、認知症症状の新たな予測AIアルゴリズムの開発を共同で進め、高齢者や認知症医療に携わる医師に有益な情報を提供する各種新サービスの展開、高齢者や認知症領域のプラットフォーム構築などに取り組んで行くとしています。
▼関連リンク
フューチャー株式会社 https://www.future.co.jp
日本テクトシステムズ株式会社 https://www.nippontect.co.jp/