聴こえの大切さを伝えていくとともに、誰もが聴こえやすい社会づくりを目指すNPO法人日本ユニバーサル・サウンドデザイン協会。2018年に「ヒアリングハラスメントゼロ推進委員会」が発足し、現場のハラスメント問題に切り込み防止につながる策としてショートムービーを公開していますが、このほど最新作『ヒアハラ~介護施設編~』を公開しました。
「ヒアリングハラスメントゼロ推進委員会」では“難聴”が引き起こす誤解をテーマにしたショートムービー『気づかなくてごめんね』、医療や介護の現場で実際に活用いただけるヒアハラ対策動画として『ヒアハラ~医療機関編~』を公開しており、今回の『ヒアハラ~介護施設編~』が3作目。監督はいずれも犬童一利監督がメガホンを取っています。
動画では「耳元で大きな声で話さない。」「顔と口元を見せながら話す」「はい、いいえで答えられるわかりやすい質問をする。」など、基本ながら大切なコミュニケーション手法をわかりやすく説明しています。
“聴こえ”への理解不足は適切なケアが行われないという深刻な問題に
ヒアリングハラスメントが起きる要因は、難聴への理解不足。高齢者に対しては認知症扱いをしてしまったり、“聴こえ”へのハラスメントは無意識に起きてしまっているといいます。
このように、超高齢化社会の中で難聴者は増加の一途をたどり、難聴を放置することで本当に認知症になってしまうリスクも高まるといわれるなど、目に見えず気づきづらい“聴こえ”への理解や取り組みは未だ多くの課題を抱えているのが現状です。
特にケアする場である医療や介護施設では、こうしたコミュニケーションギャップが起こりがちだといい、結果として適切なケアやサポートが行われていない現場も多いといいます。
「ヒアリングハラスメントゼロ推進委員会」は発足以来、医療機関や介護施設での「聴こえのセミナー」を定期的に開催してきていますが、こうした動画によるアプローチで、医療機関・介護施設を中心に、難聴に対する意識の向上や課題の解決を目指していくとしています。
第3弾:「ヒアハラ~介護施設編~」:https://youtu.be/G2gduKMS9ak
(YouTube検索:「ヒアハラ」)
▼企画 / 監修
NPO法人 日本ユニバーサル・サウンドデザイン協会
ヒアリングハラスメントゼロ推進委員会
▼協力
ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社
犬童 一利(いぬどう かずとし)
[プロフィール]
1986年生まれ。神奈川県出身。
長編デビュー作『カミングアウト』が東京や香港の国際レズビアン&ゲイ映画祭にて上映され話題になる。
2016年『つむぐもの』(出演:石倉三郎/キム・コッピ/吉岡里帆 他)で全国デビュー。
2018年、人気作家の森沢明夫氏の小説『きらきら眼鏡』(出演:金井浩人/池脇千鶴/安藤政信/古畑星夏/杉野遥亮/片山萌美 他)を実写化。2作連続で世界12大映画祭の1つである上海国際映画祭に正式出品となった。
[制作に関する想い・コメント]
映像を制作する際は、ヒアハラという「こと」を知ってもらうことを大前提に、わざとらしくなり過ぎず、一定のリアリティをもつことに気をつけながら、わかりやすさという点も意識をしました。第2弾・第3弾のヒアハラ動画は、患者さんやご利用者役のキャスティングが大変でしたが、千葉県船橋市の地域の方々にご協力頂き、沢山の方に集まって頂けました。
“聴こえ”というのは目に見えないものだからこそ、映像で伝えることは非常に意義があると感じています。“聴こえ”の不自由は、「知らない」「気づかない」ことが沢山あり、それによりコミュニケーションを諦めたり、気持ちが落ち込むなどに繋がってしまうことがなくなるよう、みんなが“聴こえ”について知ることで、環境が変わり、不自由なことが障害になりづらい世界に近づけたらと思っています。
理事長 中石 真一路
[制作に関する想い・コメント]
第2弾「ヒアハラ~医療機関編~」は、医療機関様向けのヒアハラをテーマに製作させていただきましたが、ご覧いただいた医師や看護師の方から「非常にわかりやすかった」と感想をいただきました。医療機関で高齢の難聴の方に接する機会も多いこともあり、新人研修などでもご利用いただいています。第3弾も多くの介護施設でご利用いただけることを期待しています。
「聞こえにくい」「伝わりにくい」ことの課題は頭で理解をしていても、実行できているかと言われるとなかなかできていないことが多いと感じています。ヒアハラの動画を通して、犬童監督が作る映像という形でどのように対処することがOKでNGなのかをわかりやすくお伝えできたと思いますので、動画をご覧ただき「気づき実行していただくこと」を願っています。
動画概要
第1弾:「気づかなくてごめんね」:https://youtu.be/8HgX4xeJLLk
(YouTube検索:「気づかなくてごめんね」)
耳につけない対話型支援機器「comuoon®︎」アンバサダー石倉三郎さん主演
“難聴”が引き起こす誤解をテーマにしたショートムービー
【タイトル】 :「気づかなくてごめんね」
【映像尺】 : 7分23秒
【公開日】 : 9月17日(火)
【予告編URL】 :https://youtu.be/KOVVpjwccE4
【特設サイト】 :https://www.comuoon.jp/
第2弾:「ヒアハラ~医療機関編~」:https://youtu.be/EmIFi9rCRUU
(YouTube検索:「ヒアハラ」)