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日本初のヤングケアラー・メンターシップ制度が始動

日本初のヤングケアラー・メンターシップ制度が始動 介護・福祉

障害や疾患のある親や祖父母、兄弟や姉妹の世話や介助をするヤングケアラーの伴走型支援を行うケアラーアクションネットワーク協会(東京都中央区)が、元ヤングケアラーの大学生らがサポートする日本で初めての「ヤングケアラー・メンターシップ制度」を開発しました。

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ヤングケアラーが気軽に集まる場所となるメンターシップ制度

“ヤングケアラー”という言葉を見聞きすることが多くなりました。

ヤングケアラーである子ども本人(中学生・高校生)を対象に初めて実施された全国調査「令和2年度ヤングケアラーの実態に関する調査研究」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング社)では、世話をしている家族が「いる」と回答したのは、中学2年生5.7%、全日制高校2年生4.1%、そのうちヤングケアラーと自覚している割合はどちらも約2%であるなど実態が明らかになっています。

“新型コロナウイルスの流行が長期化する中で、社会的な孤独・孤立の問題は深刻さを増し、中でもヤングケアラーは、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担があることで本人の育ちや教育に影響がある”などの課題が顕在化しています。

こうした課題に対し行政や自治体としても問題解決型の支援を展開、加えて政府はヤングケアラーが気軽に集まるピアサポートの拡充にも力を入れようとしています。

今回、日本初となるヤングケアラー・メンターシップ制度を開発した一般社団法人ケアラーアクションネットワーク協会(CAN)は、2020年からヤングケアラーに向けたピアサポートとプログラムの提供を行っている団体。代表理事の持田恭子氏は、9歳から母と兄の世話を続けてきた元ヤングケアラーで、ヤングケアラーに最も近しいリーダーのひとり。メンターシップ制度は、ヤングケアラーの「気軽に集まる場所が欲しい」という声が発端となり、仲間同士で集まる居場所を増やす発想から生まれた制度だということです。

元ヤングケアラーが“良き先輩”としてスキル伝授

ヤングケアラー・メンターシップ制度は、元ヤングケアラーである大学生らが、自身のケア経験を活かして“ピアメンター”になり、家族のケアをする中学生や高校の良き先輩としてサポートするスキルを身につける研修制度。終了すると、CANが運営する「ヤングケアラーズ探究プログラム」に参加し、実際に中高生ヤングケアラーと対話を深めます。

日本初のヤングケアラー・メンターシップ制度が始動

ピアメンターとなった大学生は、ヤングケアラーと似たような経験をしてきた仲間(ピア)だからこそ分かり合える「共感力」を存分に生かし、気づきや発見を促す役割を担います。その後の就職活動に役立つリーダーシップやチームビルディングの経験が得られます。

日本初のヤングケアラー・メンターシップ制度が始動

ヤングケアラー・メンターシップ制度詳細

ヤングケアラーズ探究プログラム
イギリス発のプログラムで、ヤングケアラーが家族のさまざまな課題に対応する柔軟なメンタルを育てる内容で構成されています。英Winchester Young Carersの許可を得て日本人向けに改良、2020年から中学生と高校生のヤングケアラーに提供しています。

一般社団法人ケアラーアクションネットワーク協会 代表理事 持田恭子氏
日本初のヤングケアラー・メンターシップ制度が始動9歳から母親の感情面のサポートと障害のある兄の世話をしていた元ヤングケアラー。1996年、会社員として働きながら、きょうだい同士の交流を始めたが、家族の看護や介護のため活動を中断。2013年、自身のケア経験を元に「家族の世話を家族だけで抱え込まない社会づくり」を目指して活動を再開。翌年独立し、2019年に一般社団法人を設立。これまでに延べ1800人以上のきょうだいケアラーへの対話支援を行ってきた。2020年、日本初「中高生ヤングケアラー支援事業」を開始。同年、親なきあとの暮らしの不安を解消するエンパワメントサポート講座を開講。2022年春以降、自治体向けのヤングケアラーサポーター認定講座や学校におけるヤングケアラー支援研修を始める。

一般社団法人ケアラーアクションネットワーク協会
https://canjpn.jimdofree.com/

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