医療・介護・福祉領域に特化したスキルシェアサービスに、ポストプライシング型決済サービスが初めて導入されます。ポストプライシングは完了後に依頼側が価格を決める“あと値決め”サービスのこと。こうしたスキルシェア領域での採用自体が初めてであり、今後の働き方への影響に注目が高まります。
「あと値決め」はどんな仕組み?
作業完了後に依頼側が報酬を決める“あと値決め”は、多彩な決済サービスの開発運用を手掛けるネットプロテクションズ(東京都千代田区)が提供する、国内初であり国内唯一となる決済サービス。従来とは異なる新しい購買体験を、買い手と売り手の双方負荷なく実現することができ、事業者の既存の販売フローに組み込み可能な決済一体型のサービスとなります。
イベントやECサイトなど、あと値決め形式でサービス提供可能な事業者は1000事業者を超えているといいます。
シェアサービスで初、「じぶんはけん」が導入
そのポストプライシング型決済サービスの「あと値決め」をスキルシェア領域として初めて導入したのは、一般社団法人ワーシャル(大阪市)が運営する「じぶんはけん」。
“「本業」は「じぶん」と言える人を増やす”をコンセプトに、自分の経験や体験したことなど、自分らしく他者に価値を提供する「複業家」レンタルサービス。カテゴリーは医療・介護・福祉に特化しており、それら分野に関わる人や患者経験のある人、障がいのある人を対象としたサービスで、相談に乗ったり教育したり業務をサポートしたり、“自分は○○○○の支援ができます”という情報を公開しニーズのあるところから依頼を受けるというものです。
その「じぶんはけん」が「あと値決め」の採用を決めたのは、依頼者の心理的ハードルが下げられる、複業家としての登録者が自らの価値を確かめられる場を創ることができる、という点にあるといいます。
「地域住民の方が医療・介護・福祉・病気を持った方と関わるためには、病院や施設、その他専門職の所に相談する必要があります。上記の方々と関わるための敷居を少しでも低くするために価格設定についてはあと値決めにいたしました。」
「複業家(特に専門職の複業家)にとっては自分の価値を確かめるような場所は多くはありません。複業家が価値を提供し、それらの価値を受注者様側からフィードバックしていただくことで、より一層それぞれの価値を高め、「経験・スキル × 好きなこと」を提供できる場を創るために、あと値決めの導入に至りました。」
利用は介護の日である11月11日より。
「まずは依頼」「まずは提供」の一歩を後押しするポストプライシングは、スキルシェア領域のコア要素である「依頼者とワーカー間の互恵関係」を醸成する期待が持たれています。