自動運転技術の向上や関連ビジネスは急速に展開しており、その大きな経済効果に様々な業界が注目しています。自動運転には「運転自動化レベル」があり、そのレベルによって実用化が試されているのです。
レベル4で運転手がいないシステムによる完全自動運転が実現しますが、数々のハードルをクリアするのも遠い未来ではありません。完全自動運転の魅力は、車が自動で動くこと以外にもMaaSなどの様々なサービスを含め、多くのメリットがあるのです。
日本でも、レベル3が解禁されたことにより自動運転技術が加速し、私たちの日常生活が飛躍的に変わる時代が来ています。
すでに公道OK、自動運転のいま
2020年4月に、国土交通省がレベル3の条件付自動運転車について道路交通法と道路運送車両法を改正した結果、公道走行が可能になりました。政府の自動運転プロジェクトでは、高速道路や限定地域でレベル3の実証実験や、トラックの隊列走行などの実証実験も行っています。2020年11月、国土交通省はレベル3の自動運行措置を備えた車両として、ホンダLEGENDを型式指定しました。
レベル3の走行時の速度は、作動開始前は約30km/h未満、作動開始後は約50km/h以下と決められており、同一車線内の走行に限られています。ホンダLEGENDに搭載された自動運転装置は、高速道路の渋滞時に運転者の負荷軽減を目的とした自動運転システムです。
世界中の各メーカーはレベル3の量産化や、安全な自動運転を実現するための積極的な実証実験を繰り返しています。安全な交通社会構築に向けて、早急な国際的なルールの制定や、標準化が求められています。
急速に進む自動運転化によるメリット
自動運転の開発には、国交省・経産省・民間・大学のほか、IT企業・バス運行事業者など多くの企業が参入しています。自動運転を用いて、物流や福祉車両、通院や通学などの送迎や、移動サービスの事業性を改善することで、持続性を高めることが可能です。
例えば、物流事業では自動走行の移動ロボットを使うことで、配送効率の向上やドライバー不足を補えます。また、介護業界の慢性的な人材不足は、自動運転で利用者の送迎を行い、異なるサービスと連携することで、移動の利便性を向上できます。
公共交通の維持が困難な地域や高齢者が多い居住地は、様々な交通手段を検討し、人々の暮らしを支えることが必要不可欠です。自動運転による介護送迎車の空席を、高齢者の移動手段として活用することで、日々の買い物や病院などへ無理なく行くこともできるでしょう。完全自動運転の福祉車両が実用化されると、車が今よりさらに身近なものになり、免許を持たない人の需要が高まるでしょう。
MaaSは、移動する際の検索・予約・支払を一度に行うサービスの提供や、都市部の渋滞、交通弱者対策問題の解決を図ることが可能です。自動運転技術とMaaS・IoT・AIなどの情報通信技術が融合することで、社会の課題解決が進み、より便利で暮らしやすい日常が近づいているのです。
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