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ケアマネに慢性腎臓病を調査、予防法は「学ぶ機会ない」

調査

WEBサイト「ケアマネジメント・オンライン」では登録する全国のケアマネジャーを対象に、高齢者に多い慢性腎臓病に関する調査を実施、その理解や予防についての現状が明らかになりました。

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慢性腎臓病は高齢者に多く生活の質に大きな影響を及ぼす

慢性腎臓病(CKD=chronic kidney disease)は、慢性に経過するすべての腎臓病を指します。尿や血液、腹部超音波やCTなど病院や健康診断で行う検査で腎臓の機能に異常が見られ、その状態が3ヵ月以上続いている場合に診断される病気です。

自覚症状がなく、早期発見のために周囲からの働きかけが望まれますが、重症化すると透析治療が必要になり、り生活の質を大きく下げます。また透析の医療費は公的医療保険制度の財政圧迫要因として懸念されており、国をあげてCKD対策が進められている現状があります。

社会問題化する慢性腎臓病についてケアマネジャーを対象に実施された今回調査では、多くのケアマネジャーが慢性腎臓病を未治療で放置することの危険性について理解し、腎不全や透析の予防のための働きかけに前向きである反面、CKD患者の状況把握はまだ不十分であることが分かりました。

予防のために生活習慣の改善が求められることからも、介護側からのサポートは不可欠といえます。介護職として望ましい食生活の支援をおこなうことで、医療と介護の両方からのCKD患者へのサポートが社会問題である腎不全・透析予防対策の一助につながるのではないかと考えられそうです。

■調査概要
調査名:CMNRメディカル(第37回) 「慢性腎臓病(CKD)に関するアンケート」
期間:2022年5月6日~2022年5月13日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー(居宅介護支援事業所または地域包括支援センターに勤務)
調査サンプル数:370名
調査方法:WEBアンケート

 

「慢性腎臓病(CKD)に関するアンケート」調査結果

(以下、株式会社インターネットインフィニティー 2022年5月31日プレスリリースより抜粋)

■健診で腎機能の低下を指摘されたら受診すべきか

「今すぐ受診すべき(31.4%)」「なるべく早く受診すべき(60.3%)」を合わせると、9割以上の方が早く受診すべきだと回答しました。
また、ケアマネジャーは腎不全と透析予防のための働きかけに前向きであることも分かりました。

ケアマネに慢性腎臓病を調査、予防法は「学ぶ機会ない」

■利用者家族の腎不全(透析の導入)を予防するために働きかけたいか

「積極的にしたい(22.7%)」「なるべくしたい(37.3%)」「簡単にできるならしたい(33.5%)」を合わせると、9割以上が働きかけたいと回答しました。

これらのことから、ケアマネジャーは腎臓の健康への意識がとても高い人たちであることが分かります。

ケアマネに慢性腎臓病を調査、予防法は「学ぶ機会ない」

■CKDに関する知識

「進行すると人工透析が必要になる(78.1%)」「自然に治ることはない(67.6%)」といった項目で正答率が高く、多くの方がCKDを未治療で放置することの危険性を認識していることが分かりました。

CKDを放置するリスクの正しい理解が、ケアマネジャーの受診の必要性と予防のための働きかけの意識につながっているものと考えられます。
しかし、これらの意識が高いにもかかわらず、潜在患者の把握には課題があるようです。

ケアマネに慢性腎臓病を調査、予防法は「学ぶ機会ない」

担当利用者(平均30.28人)のうち、CKDと診断されている方の数は、平均1.26人(担当利用者中4.2%)という回答が得られました。
これは一般的なCKDの有病率(成人人口の約13%※)と比較しても少なく、加齢に伴って有病率が上がることを考慮すると、ケアマネジャーによるCKD患者の把握は不十分だと言えます。
(※)出典:「CKD診療ガイド2012」(日本腎臓学会)

このことから、ケアマネジャーは腎不全の予防に意欲的であるにもかかわらず、その働きかけを必要としている利用者を見落としてしまっていることが懸念されます。

CKDの知識に関する質問の回答によると、「腎臓の働きが健康な人の60%以下になる(27.8%)」「加齢に伴って患者が増える(46.5%)」「尿検査や血液検査で分かる(51.1%)」といった、CKDを見つけるために必要な知識の項目で正答率が比較的低いことが分かりました。
このことから、多くのケアマネジャーは、CKDの有病率や検査方法などに関しては理解が不十分であると考えられます。

■CKD治療や透析予防に関する学びの機会の頻度

4人に3人(72.2%)が「全くない」と回答しました。年に1回以上学びの機会があるという方は全体の1割未満でした。

ケアマネジャーによるCKD患者の把握が不十分な背景には、疾患について学ぶ機会の少なさが影響している可能性があります。

ケアマネに慢性腎臓病を調査、予防法は「学ぶ機会ない」

腎不全の予防に意欲的なケアマネジャーが利用者やその家族に働きかけるためには、ケアマネジャーに対して正しい知識を啓発し、まず働きかけるべき対象者が身近にいると気づいてもらう必要があるのではないでしょうか。

ケアマネジメント・オンライン
https://www.caremanagement.jp/

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