ユカイ工学、RIZAP、JDSCの3社が三重県桑名市で合同実施した健康寿命延伸サービスの実証実験がこのほど完了、体力年齢マイナス27歳の若返りを達成した成果を公表しました。
高齢者の筋力維持・体力年齢改善を顧客目線で実現へ
今回の検証は、三重県が国内外の企業からアイデアを募集して開発のサポートや実証・社会実装の支援などを行う「クリ“ミエ”イティブ実証サポート事業」での採択を受けてのもの。
桑名市での一般募集と市役所からの声掛けで募った60代~70代の男女21名を対象に、ユカイ工業のコミュニケーションロボット「BOCCO emo」を使用し、RIZAPトレーナーが約2ヵ月にわたって自宅との遠隔で運動と食事指導をおこないました。
自治体にとってはフレイル予防をより多くの方に受けて頂き、かつ有効なデータとして構築をしたい声がある一方で、対象者である高齢者の日常のデータ収集が難しい、デバイス操作が難しいなどが課題として挙がっています。
今回の実証では、参加者に課題となる①モニタリング(データ収集)②ITリテラシー③リクルート(参加と継続)の3つのハードルを下げることが肝要です。今回の3社は、モニタリングのハードルをJDSCのAIソリューション、ITリテラシーのハードルをユカイ工学のコミュニケーションロボット「BOCCO emo」、リクルートのハードルをRIZAPのプログラムが下げるという役割を担っています。
その結果、体力年齢がー27歳、参加者平均年齢と比べて「-14.8歳」に改善できたことで、フレイルリスクの改善が連動して見られた結果となっています。
体力年齢改善によりフレイルリスクが改善
(以下データはユカイ工学発表のプレスリリースより)
コミュニケーションロボット「BOCCO emo」を使用した継続支援では、共通言語を使用して特別感を演出して高揚感を得られました。また、報告リマインド(運動終了・食事内容)をおこなうことでポジティブな言語、日常生活の発話数の増加になり参加率、継続率の推移が顕著に表れています。
【参加率】
初回:62% 7回目:90%
*8回の内7回目まで遠隔にて実施
【継続率】
初回:75% 7回目:85%
*8回の内7回目まで遠隔にて実施
*初回のみ1日のデータ
デバイスを連動させたことにも効果があり、アンケート内の遠隔指導内でデバイス操作の難易度調査では、「簡単・普通」と答えた方が100%、「難しかった」と答えた方が0%の結果となり、ITリテラシーのハードルを下げコミュニケーションロボットとデバイスを連動させたことによる効果がありました。
3つのハードルを下げることによる効果
コロナ禍に於けるニーズに合わせたソリューション提供、オンライン実施を主軸としての効果として参加率平均が78%、行動管理サポートとしてコミュニケーションロボットを導入し、共通言語を使用して特別感を演出、発話リマインド(テキスト内容、運動終了、食事内容)、動画配信ITデバイスを連動させて実施した結果、継続率平均84%となりました。
ロボットを通じての寄り添いや言語によるサポートでのデバイスの使いやすさなどで積極的に取り組んだ結果と各回終了後、日々の復習が体力年齢改善の要因となりました。
また、身近な電力消費量からの非接触センシングを活用してのフレイル検知AIを用いたフレイル判定から、高齢者の運動プログラムによるフレイル状態の改善、健康寿命の延伸に繋がる可能性を確認できました。
3社合同で、フレイル予防における結果の見える化と継続化を実現するプラットフォーム構築を実証していきます。
・クリ“ミエ”イティブ実証サポートとは
https://cre-mie-tive.jp/
株式会社JDSC
https://jdsc.ai/
ユカイ工学株式会社
https://www.ux-xu.com/
RIZAP株式会社
http://www.rizap.jp/