筑波大学准教授としても活躍する落合陽一氏が代表のピクシーダストテクノロジーズが進める自動運転車いすの開発が、介護現場の課題解決に向け前進です。
サービス付き高齢者向け住宅を運営するシルバーウッド社と共同事業に取り組むことを発表しました。介護福祉現場のよりリアルな課題解決につながるプロダクトの開発を行います。今回の協業で介護現場の従事者や施設の利用者など、介護福祉に関わる多くの人たちが自分らしい豊かな生活が送れる社会の実現を目指すとしています。
介護福祉現場とテクノロジーやデザインの協業から課題を解決へ
目指す社会の実現には、介護福祉現場とテクノロジーやデザインの力を持った企業が手を組む必要があるとするピクシーダストテクノロジーズ。協業するシルバーウッドが「銀木犀(ギンモクセイ)」として展開する高齢者住宅事業は、千葉県鎌ケ谷市に2011年に開設したサービス付き高齢者向け住宅に始まり、現在は10棟、グループホーム2棟を運営しています。アジア太平洋高齢者ケア・イノベーション・アワードで最優秀賞を獲得、その後メディアにも登場するなど注目も集まっています。
喫緊の課題と捉えているのが、介護福祉現場では他業界よりも遅いといわれるテクノロジー導入の遅れ。同時に、テクノロジーへの拒否反応の強さも指摘されているところ。
こうした介護福祉現場の声に耳を傾け、介護福祉現場のよりリアルな課題解決につながるプロダクトの開発を進めていくものとしています。
車いすを使う施設利用者が、好きなときに好きな場所へ
ピクシーダストテクノロジーズが進める自動運転車いす「xMove(クロスムーブ)」は、市販の電動車いすに自動運転化ユニットを後から搭載することで、電動車いすを自動運転車いすに高度化することができる装置。ボタンやスマートフォンによる操作で、好きなときに好きな場所に行くことができるようになります。
xMoveの開発で、車いすの利用者の利便性向上と介護士の移動介助の負担軽減を目指しています。車いすに搭載したセンサーと施設に設置したセンサーで車いすの安全を2重3重に確認し、安全に走行する特徴を有します。
シルバーウッドの高齢者住宅での実証実験を続け、同時に現場からの意見を積極的に取り入れていきながらxMoveの開発を進めていくとしています。