医療福祉のカジュアル化を仕掛けるUbdobe(東京都世田谷区)と大分県が共同企画したショートムービー『わたしをわたしをひらく、明日(みらい)がひらく』が公開されました。大分県介護の仕事魅力発信事業「OPEN OITA PROJECT」の一環として制作されたもの。その内容を紹介します。
クリエイティブに介護の魅力を発信するプロジェクト
「OPEN OITA PROJECT」は、大分を起点に地域をひらき、介護の仕事の魅力をひらく、地域人材密着型の魅力発信事業として展開されています。大分県内の介護従事者と医療福祉のカジュアル化を仕掛けるNPO法人Ubdobe(ウブドベ)によるプロジェクトで、公開されたショートムービー(6分15秒)はその活動の一環となります。
活動内容はプロジェクトサイトOPEN OITA WEB(https://open-oita.jp/)をベースに配信されますが、ショートムービー(https://open-oita.jp/short-movie/)のほかにも以下のコンテンツが用意され、クリエイティブに介護の魅力が発信されています。
なおショートムービーは15秒に編集されたバージョンが、県内のTVCMとして放送されます。
・OPEN OITA LAB/ 介護職員発信研修
・OPEN OITA GAMES/ 謎解き×介護
・OPEN OITA TV/ 大分の魅力を全国に発信
・OPEN OITA FORUM/ これからの介護の話
2017年映画デビューの横尾初喜監督がメガホン
◆ショートムービー紹介
『わたしをひらく、明日(みらい)がひらく』
サザンオールスターズのMVや数々のドラマの監督を経て、映画「ゆらり」(2017)で商業映画デビューを果たした横尾初喜氏を監督に迎え、NPO法人Ubdobeが企画・絵コンテ・介護技術指導を担当。クオリティとメッセージ性を兼ね備えたチームを結成し、制作を行いました。
介護の仕事と言われて多くの方が思い浮かべるのは、入浴や食事の介助をする姿かもしれません。
しかし、それらの業務の先に
「その人が最後までその人らしく生きるためのお手伝いがしたい」
という想いがあることまでは、まだ広く知られていません。
今回は、そんな介護の仕事の根本に焦点をあて、大分県の介護の現場を舞台に、全ての人に共通する
「自分らしく生きることの尊さ」
をテーマに、利用者の方が描く夢を職員が共に叶えるまでを描きました。
< わたしをひらく、明日(みらい)がひらく。 >
これは大分県の介護福祉業界で勤務しながら、OPEN OITA PROJECTのLAB生として、PRムービーの制作に協力してくれた大分県のメンバーたちが考えたコピーです。
介護の魅力を伝える本プロジェクトに参加し、
「どんどん自分が開いていった」と語るメンバーたち。
介護のしごとは、明日をひらく力がある。
まずは自分をひらくこと、そこからはじまる……。
< 福祉の世界には脚本のいらない物語がある >
今回のチームの結成のはじまりは2017年。
映画「こはく」の撮影の際、当時介護技術指導として入っていたNPO法人Ubdobe 貞松徹による介護福祉に関する講演を聞いた横尾監督が
「福祉の世界には脚本のいらない物語がたくさんあるんですね。
ショートムービーなら何本でも撮れそうです」
と感想を寄せてくださったことが映像制作依頼のキッカケとなりました。
今回の撮影でも、NPO法人Ubdobeの貞松が介護技術指導を担当。横尾監督が手掛ける美しい表現に、現場の視点を活かしたリアリティをかけ合わせています。
作品の中では登場人物の「よしおさん」が暮らす施設の部屋には、ベッドのほかに冷蔵庫や衣類、日用品など多くのくらしの品々がありますが、もともとはベッドとマットレスしか置いていなかった空き部屋を3〜4時間かけて生活感のある部屋に演出。
映像には映りこまないゴミ箱の中にちゃんとゴミが入っているなど、細部にもこだわりが。 動画の最初に出てくる部屋と最後に出てくる部屋にも、時間の流れを感じさせる微妙な変化を付けています。
細部までこだわった演出にも注目です。
・TVCM用15秒バージョン
制作陣プロフィール
OPEN OITA PROJECTを企画・運営する「NPO法人Ubdobe」
http://ubdobe.jp/
「医療福祉のカジュアル化」を掲げ、あらゆる人々の積極的社会参加を推進する医療福祉エンターテインメント集団です。病気や障がいをテーマとしたクラブイベントや謎解きイベントの企画、デジタルアート型リハビリシステムの開発など、幅広い分野で活動中。医療福祉情報の啓発・人材獲得等を目的としたプロジェクトを全国で展開しています。