介護現場で見えた移乗支援の実態―アンケート結果で垣間見えたギャップ

介護現場で見えた移乗支援の実態―アンケート結果で垣間見えたギャップ 調査

(画像は「介護DX」ホームページより)

-2026.2.9発表-
ロボタスネット株式会社が実施した【介護従事者向けアンケート】「職場の移乗支援体制と現場が求める支援策について」の調査結果が公開されました。

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介護現場で本当に求められている移乗支援とは?

アンケートを実施したロボタスネット株式会社(大阪府大阪市)は介護現場のテクノロジー活用や業務改善情報を発信する「介護DXナビ」の運営会社。アンケートは、同社をグループ傘下に置くBCC株式会社ヘルスケアビジネスカンパニー(大阪府大阪市)が運営する介護従事者向け情報サイト「介護レク広場」の会員ネットワークの協力を通じて、介護現場で働く人を対象実施されました。
その結果、「移乗支援機器やルールが十分に活用されていない」「活かされない要因は運用環境」など導入と活用のギャップが浮き彫りとなりました。

以下に調査結果とロボタスネットによる考察を紹介します。

介護現場の移乗支援に関するアンケート調査結果

調査概要
調査期間:2025/12/01~2026/01/10
調査対象:介護現場で働く職員
調査方法:インターネット調査
アンケートは33名の方が回答。多くは40~50代・介護経験10年以上の介護職であり、現場の最前線で利用者支援に携わっている。

介護現場で見えた移乗支援の実態―アンケート結果で垣間見えたギャップ

「支援策・機器はある」けれど、「十分に活用できていない」という実態が浮き彫りに

移乗支援策として、多くの職場でスライディングボードや2人介助のルールなどの移乗支援策がすでに整備されていることが分かりました。

介護現場で見えた移乗支援の実態―アンケート結果で垣間見えたギャップ

一方で、「しっかり活用されている」と感じている方は一部にとどまり、「あるけれど、使いきれていない」という実態が見えてきました。

介護現場で見えた移乗支援の実態―アンケート結果で垣間見えたギャップ

この結果が示唆するものは以下と考えられます。
①「整備=定着」ではない
多くの職場でルールや機器は揃っているのに、活用度高いとは言い切れない状況です。つまり課題は「運用(使い続ける仕組み・使える状態)」にあると考えられます。
②支援策が「軽装備中心」に偏っている
導入数が多いものはスライディングボードや2人介助ルールなど、比較的導入しやすいものが上位に位置しています。一方で、負担軽減効果が大きい可能性のある「移乗リフト」や「アシストスーツ」については少数でした。つまり、「導入しやすい支援策」には取り組めているが、負担を大きく下げる設備系までは普及していない、という構造が見えます。
③「特にない」という回答も多い
対策を講じている施設が一定数ある一方で、ほとんど対策が整っていない職場もあるようです。つまり、介護業界全体としての、最低限の設備ラインが整っていないとも言えます。

このことから、介護現場における職員の負担軽減の支援の在り方を、介護福祉業界全体で考え整備し、そして「導入した設備をしっかり活用する」工夫が必要です。
では、なぜ今ある支援機器を活用できていないかを次で読み解きます。

使われない原因は「個人の意識」より「運用環境」に集中している

「移乗支援策や機器が活用されにくい理由」について、現場の職員が感じるものはグラフのようになりました。

介護現場で見えた移乗支援の実態―アンケート結果で垣間見えたギャップ

上位の意見は、
 ・物理的にスペースが足りない
 ・操作に時間がかかる
 ・操作が難しい・慣れていない
 ・職場の雰囲気的に使いづらい
となっており、機器の性能によるものより、現場で使える「条件」が整っていないことが主な要因と考えられます。

このことから、現場が最大限に支援機器を活用するには、「スペース・時間・操作性」に重点を置き、実際の現場に合わせた運用方法を設計する必要があると考えます。
また、「利用者・家族が不安を感じる」という意見もみられ、精神的な側面でも使いやすい体制を整えるために工夫を講じる必要もあるようです。
では、現場の職員が勤務先に求める支援策は何でしょうか?

現場が求めているのは「機器」+「人」+「運用」

アンケートの結果、上位5つに挙がったのは「運用環境の整備」です。

介護現場で見えた移乗支援の実態―アンケート結果で垣間見えたギャップ

つまり現場は、機器を導入するだけでなく、「安全に実践できる環境とルールとスキル」を求めていることがわかります。
 ・ルールがあっても人がいないと実践できない
 ・人によってやり方が変わる
というように、制度と実情のギャップ、ルールが曖昧で定着しない、という結果が見えてきます。

また、「利用者・家族への啓発」を望む声も一定数ありました。
 ・利用者や家族が「人が抱えた方が安心」と感じる
 ・機器を怖がる
 ・介護側の安全優先が理解されにくい
といった要因で、現場職員が機器の使用を控えてしまうというケースも考えられます。

安全な移乗を行うには、職員だけでなく利用者側の理解も必要となってきます。
加えて、職員が安全に移乗介助ができるということは、利用者側の負担も軽減できるということを利用者やご家族に理解していただくことも重要です。

ロボタスネット株式会社 代表取締役社長 逢坂 大輔 コメント
「本調査を通じて、移乗支援の課題は機器か人かという単純な選択ではなく、機器を活用した介助が現場で自然に回る体制をいかに構築できているかにあることが示されました。
今後もロボタスネットは、現場の実情に寄り添いながら、介護従事者の身体的負担軽減と持続可能な介護現場づくりに貢献していきます。」

アンケート結果完全版
https://kaigodx-navi.com/research-care-transfer-support/

介護DXナビ
https://kaigodx-navi.com/
介護レク広場
https://www.kaigo-rec.com/

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