介護脱毛は必要との認識も、するかしないかは本人を尊重―介護マーケティング研究所が調査

介護脱毛は必要との認識も、するかしないかは本人を尊重―介護マーケティング研究所が調査 調査

-2026.2.24発表-
親の介護や将来の自身の介護を考えたときに注目が高まっている「介護脱毛」。介護マーケティング研究所の調査で、負担軽減と本人の意思の間で揺れる本音が見て取れました。

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排泄介助の負担軽減と本人の意思の間で揺れる本音

「介護脱毛」は清拭(蒸しタオルなどで身体を拭き、清潔に保つ行為)や排泄介助など、介護者の負担を少しでも減らすため、あらかじめアンダーヘア(VIO)を脱毛しておくことを指します。
排泄介助時の負担軽減や衛生面でのメリットが認識されてきましたが、「必要だが本人の意思を尊重すべき?」と葛藤する姿も。介護マーケティング研究所(小学館)が「介護のなかま」2,784人を対象に行った意識調査から、そんな現状が浮かび上がりました。
以下に紹介します。

出典:介護脱毛は本当に必要?2,784人調査で判明した負担軽減と意思尊重との葛藤(介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン)
https://kaigo-postseven.com/218521
◆調査概要
「介護のとき、アンダーヘアは処理しておいた方がいい?」の疑問に対し、実際の介護現場や当事者はどう考えているのかを明らかにします。
◆アンケート概要
調査主体:介護マーケティング研究所by介護ポストセブン
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:『介護ポストセブン』会員組織『介護のなかま』登録者
調査地域:全国(国内)
調査期間:2025年9月23日(火)〜10月9日(木)
有効回答者数:2,784名

介護脱毛に対する意識調査詳細

介護脱毛には肯定的ではあるが「必須」とは考えていない
「介護する相手がアンダーヘアの脱毛をしていた方がいいですか?」という質問に対する回答は、「はい(46%)」が最多で、「どちらでもよい(42%)」、「いいえ(12%)」と続きました。
また、「自分が介護される側になることを想定した場合に、介護脱毛をしたいと思いますか?」の問いに対する回答もほぼ同じ結果で、自分と他者で必要性の認識に大きな差はないことが分かりました。

介護脱毛は必要との認識も、するかしないかは本人を尊重―介護マーケティング研究所が調査

肯定した人は介助効率と衛生面が主な理由でした。

介護脱毛は必要との認識も、するかしないかは本人を尊重―介護マーケティング研究所が調査

「どちらでもよい」「いいえ」の回答者は、「本人の意思(アンダーヘアの処理をするのは恥ずかしい・アンダーヘアがないのは自然体ではないなど)を尊重したい」「アンダーヘアの有無は排泄介助に関係ない」など合理性と心理面の両方を重視している傾向でした。
つまり、介護脱毛は有用性を認識されているものの、個人の選択を尊重して判断を保留している層も多く、「あった方がよい」とは思われているが、「必須のケア」とは捉えられていないことが明らかになりました。

排泄介助経験の有無が男女の意識差を大きく変える
回答を「排泄介助経験の有無」と「男女別」で分析したところ、介護脱毛への評価に顕著な傾向差が見られました。

介護脱毛は必要との認識も、するかしないかは本人を尊重―介護マーケティング研究所が調査

排泄介助を実際に経験することで、男性は「効率化」という現実的な課題解決に目が向くのに対し、女性は介助を通じて相手の立場に感情移入し、「尊厳」や「羞恥心」といった、より内面的な問題に意識が深まる傾向があることが判明しました。

必要性を感じつつも、「自己決定」を尊重したいという価値観
介護脱毛について多く見られた意見

【肯定的な意見(必要性・有用性の認識)】
「脱毛済みなことで臭い、皮膚炎予防になり介助もしやすくなるのでお互いにとって必要なケアだと思います。」[介護・排泄介助経験あり 37歳 女性]
「脱毛することで介護しやすいという声は、施設に通う介護職の知人から聞いています。」[介護経験のみあり 70歳 男性]
「毛についた汚れは完璧には取れない。介護人の負担増。自身の肌を清潔に保てる。などを考えると脱毛したほうがいいと思います。」 [介護・排泄介助経験あり 74歳 男性]
【本人の意思を尊重する意見】
「ご本人が了承されるのであれば、脱毛すれば良いし、恥ずかしいと感じる方もいらっしゃると思うので、ご本人の意思を尊重すべきと思います。」 [介護経験のみあり 43歳 女性]
「良いことだとは思います。(衛生的に)ただ、本人の意思も尊重したいと思います。」 [介護・排泄介助経験なし 55歳 女性]
【柔軟な判断を求める意見】
「脱毛している方が介護はしやすいと分かるが、いざ自分が脱毛となると迷ってしまいます。」[介護・排泄介助経験あり 66歳 女性]

まとめ|介護脱毛は“正解”を押し付けるものではない

今回の調査から、介護脱毛に関する以下の構図が明らかになりました。
必要性は広く認識されている : 介護の負担軽減や衛生面でのメリットは多くの人が認めています。
「必須」とは考えられていない : 個人の意思や尊厳を尊重する声も強く、強制されるべきものではないという認識があります。
判断基準は実用性 vs 本人の尊厳: 最終的な選択は、実用的なメリットと個人の感情や価値観とのバランスによって決まります。

介護脱毛は、「正解があるケア」でも、美容や必須要件でもありません。将来の介護を考える上での1つの選択肢として、ご自身の価値観や状況に基づいて慎重に検討することが重要です。

介護マーケティング研究所
https://kaigo-postseven.com/contact

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