NPO法人タダカヨ、日本介護支援専門員協会全国大会で「ケアマネジメントにおけるAI活用事例」発表

ICT・テクノロジー

-2026.1.30発表-
介護従事者のIT/デジタル活用を支援する特定非営利活動法人タダカヨ(東京都大田区)は、2025年11月開催「第19回 日本介護支援専門員協会 20周年記念全国大会」で生成AIを活用したケアマネジメント業務の実践事例を発表しました。

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AI活用で現場の負担軽減とケアの質向上への提言

介護現場における業務効率化は喫緊の課題です。特に対人援助職であるケアマネジャーにとって、記録や計画書作成などの事務は大きな負担となっています。業種を問わず導入が進む生成AIは介護の現場でも課題解決につながる技術として日に日に注目が高まっています。

先日公表された、SaaS比較サイト「BOXIL(ボクシル)」(運営スマートキャンプ株式会社)によるAI活用の実態調査では、介護を含む「医療・福祉・介護業」の企業単位での公式導入率は10.7%で、業種別ではもっとも低い結果でした。ただ個人利用率では、導入率を上回る13.8%となり逆転現象が起きています。

NPO法人タダカヨ、日本介護支援専門員協会全国大会で「ケアマネジメントにおけるAI活用事例」発表

BOXIL「生成AIの利用実態調査」(2026年1月29日発表)より抜粋
https://boxil.jp/mag/a10550/

コストやスキルなど、その導入には障壁がありますが、必ずや頼ることになると思われる生成AI技術です。タダカヨが発表した生成AIを活用したケアマネジメント業務の実践事例は、生成AI(ChatGPT等)を用いた具体的かつ実践的な解決策を提言したもので、現状の業務課題に向け有益な生成AIの活用がイメージできるものです。

以下に発表概要を紹介します。

登壇者プロフィールと発表ハイライト

当日は以下の3名が登壇し、現場目線でのリアルな活用術と成果を発表しました。

ChatGPTはケアマネジャーの右腕になるのか? ~現場での実践から見えた可能性と3つの壁~
東川 信一氏(主任介護支援専門員 / 介護福祉士 / スマート介護士Expert)
[発表概要]
ケアマネ有志による勉強会「ならケアマネ支援ネット」での実践報告。生成AI活用により、ケアプラン原案作成やモニタリング記録等の業務時間が大幅に短縮される「可能性(光)」を確認しました。一方で、現場導入には「技術・倫理・心理」という3つの壁が存在することを指摘。オンライン技術だけでなく、あえてアナログな「対面相談」を組み合わせ、安心して失敗・質問できる「コミュニティ」の存在こそが、AIを「右腕」にするための土台であると結論付けました。

[本人コメント]
「会場からの熱気と、生成AIへの期待の高さを肌で感じました。コメンテーターの厚生労働省 吉田課長よりいただいた『普段大事にしていることを守るために技術を使う。その順番を間違えてはいけない』という総評は、私たちが提唱してきた理念の正しさを証明するものでした。今後も誰もがICTを使いこなせる未来を目指して活動を続けます」

CADLとAI活用によるケアプラン作成の可能性
吉崎 ちほ氏(ケアプランセンターうぐいすの里 / 介護支援専門員 / 主任介護支援専門員)
[発表概要]
CADL(文化的日常生活行為)とAIツール「NotebookLM」を掛け合わせ、利用者の「本人らしさ」を尊重するケアプラン作成手法を提示しました。従来の機能維持中心のケアから、個人の価値観や意欲に寄り添うケアへの転換を提唱。言語化が難しいアセスメント情報をAIが整理支援することで、専門職の価値を増幅させ、より質の高い支援を実現する未来像を描きました。

[本人コメント]
「AIは単なるツールですが、そこから生まれた対話や縁こそが、より良いケアを支える力になると確信しています。今後も利用者が望む『自分らしい暮らし』を支えるため、AI活用と対人の両輪で研鑽を続けてまいります」

生成AI活用によるケアマネジメント業務の効率化 ~モニタリング記録・会議録作成の省力化に向けて~
金澤 幸一氏(care++ solutions 代表 / 介護支援専門員 / 介護ITインストラクター / 産業ケアマネ3級)
[発表概要]
負担の大きい「モニタリング記録」「担当者会議録」の作成に対し、プロンプト設計済みのChatGPTs(カスタムGPT)を用いた運用モデルを提示。【音声入力/メモ → GPTで下書き生成 → 専門職による修正・完成】というフローを確立し、記録作成時間の20%以上削減、表現のバラつき低減を実現しました。AIを「判断の代替」ではなく「整理・叩き台作成のパートナー」と位置づけ、利用者と向き合う時間を最大化する「役割の再定義」を提起しました。

[本人コメント]
「生成AIは専門性を奪うものではなく、反復作業を支援し、『人にしかできない業務』に時間を戻すための手段です。今回は『AIに学習させない設定』や匿名化など、安全な運用ルールもセットで提案しました。現場の実践知を積み上げ、ケアマネジャーが働きやすい環境づくりに貢献していきます」

タダカヨ生成AI研究所
タダカヨ生が運営する介護従事者が楽しみながらAIスキルを習得できるコミュニティ

[所長コメント]
川上 洋平氏(介護支援専門員 / 主任介護支援専門員 / スマート介護士Expert)
「介護現場にAIは合わない」という声はいまだ少なくありません。しかし、当研究所の実践により、現場の実践知と生成AIを組み合わせることで、ケアの質向上と負担軽減は両立できることが証明されつつあります。 当研究所が目指すのは、単なるツール導入ではありません。事務作業や整理業務の一部をAIに任せ、介護職員が「人による支援、対話、専門的判断」に集中できる環境をつくることです。 個人情報を扱う介護分野だからこそ、「匿名化」や「利用範囲の明確化」など、安全性と倫理性に配慮した運用を重視しています。今後も現場での検証を重ね、生成AI活用が特別なことではなく、介護現場の“新しいスタンダード”として定着するよう発信を続けてまいります。

NPO法人タダカヨ(ニュース掲載ページ)
https://mmky310.info/0130report/

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