ピクシーダストテクノロジーズ(東京都千代田区)と塩野義製薬株式会社(大阪市中央区)は、日常生活の中で認知症の予防、認知機能の改善が可能な社会の実現を目指す「ガンマ波サウンドを活用した生活に溶け込む認知機能ケア」に関するパートナー各社との連携を発表しました。
業界を越えた6社が取り組む“生活に溶け込む認知機能ケア”
「ガンマ波サウンド」は、テレビやラジオなどの音をリアルタイムに40Hz周期の音に変調することができる特殊な技術(以下、「ガンマ波変調技術」)を用いた、生活をしながら認知機能をケアできる可能性がある音のこと。
今回ガンマ波変調技術の研究・技術開発を進めているピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)と塩野義製薬の2社が中心となり、パートナー企業として参加するNTTドコモ、学研ココファン、SOMPOひまわり生命保険、三井不動産の4社と、各社の事業領域の中で「ガンマ波サウンド」による認知症予防、認知機能改善の取り組みを進めていくものです。
「ガンマ波サウンド」は、テレビやラジオなど、日常のあらゆる音をリアルタイムに変調することで、生活をしながら認知機能をケアできる可能性がある音です。40Hzの周波数は、ヒトが記憶や推論などの問題解決型の思考をしているときに現れる脳波「ガンマ波」と同じ帯域であり、認知機能障害の特徴の一つとして、脳内で認知機能を発揮するのに必要な脳の特定のリズム活動(ガンマ波)が低下していることなどが報告されています。
また、40Hz周期の音の呈示によって、マウスの認知機能が改善した研究結果や、ヒトを対象とした臨床試験においても40 Hz周期の音と光を用いて認知機能悪化の抑制や脳萎縮の抑制を示唆する研究結果が得られており、40Hz音は世界的に注目を集めています。
テレビやラジオなどの音声をリアルタイムに分析し、ナレーションやボーカルなどを出来る限り劣化させずに40Hz音に変調して流すことが出来る技術のことです。PxDTと塩野義製薬が有するノウハウと臨床研究によって生み出された、違和感が少なく、認知症予防・認知機能改善が期待される音を実現する技術です。
認知症は記憶・学習、言語能力、判断能力などの認知機能が障害されることで、本人のQOL(Quality of Life)の低下、介護者の肉体的、精神的、経済的負担にもつながり、社会に与える影響が大きい疾患となります。
一方で、既存治療法に対する患者満足度は高くなく(※1)、新たなソリューションが求められています。
PxDTと塩野義製薬の両社は「生活に溶け込む認知機能ケア」という共通コンセプトに基づいた共同研究を進めるなかで、ガンマ波サウンドを共同で開発(※2)。
「音刺激による脳活性化および認知機能改善」に向けたエビデンス構築しつつ、今回のパートナー企業との連携を通じて、各社の強みや特徴を活かしたガンマ波サウンドの社会浸透と新たな「生活に溶け込んだ認知機能ケア」サービスの創出につなげ、日常生活の中での認知症予防や認知機能の改善が可能な社会の実現に取り組むものです。
パートナー各社の展望とガンマ波サウンドを活用した取組
ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
「塩野義製薬と共に開発した「ガンマ波サウンド」は、認知症予防や認知機能改善に大いに貢献できるものと確信。この「音」の可能性に共感頂ける各パートナー企業と共に、各社各領域での様々な検証を実施することで、一刻も早く多くの方の希望となれるよう、全速力で社会浸透を目指す。」
https://pixiedusttech.com/
塩野義製薬株式会社
「アンメットメディカルニーズの高い認知機能障害に対する画期的な治療法を届けるべく、精神・神経系疾患を抱える患者、家族のQOLの向上に貢献していく」
https://www.shionogi.com/jp/ja/
株式会社NTTドコモ
「様々なパートナーのプロダクト、サービスとともに認知症予防の積極的な取り組みのひとつとして、ガンマ波サウンドを活用した取組にも参加。普段の生活の中で自然と認知機能の改善が図れている地域づくり、地方の活性化や課題を解決し、デジタル田園都市国家構想の実現に貢献していく。」
https://www.d-healthcare.co.jp/business/kenkou-mileage/
株式会社学研ココファン
「認知症という社会課題解決のため、高齢者の皆さまに最も近い介護領域に携わる立場として、ニーズの探索や新たなサービス開発に尽力していく」
https://cocofump.gakken.co.jp/
SOMPOひまわり生命保険株式会社
「ガンマ波サウンドを活用したサービスの提供や新たな保険開発に繋がる取り組みを行い、認知機能低下の予防に貢献していく。」
https://www.himawari-life.co.jp/
三井不動産株式会社
「あらゆる場において人々のくらしとの接点を持つ当社グループとして、認知機能改善技術など最先端のテクノロジーを活用し、直面する社会課題の解決を目指す」https://www.mitsuifudosan.co.jp/
https://www.andwell.jp/service/
1.令和2年度 国内基盤技術調査報告書「60 疾患に関する医療ニーズ調査(第6回)」分析編
2. 2022/6/21リリース 共同研究に関する塩野義製薬とピクシーダストテクノロジーズによる基本合意書の締結