全国1都8県162拠点で医療・保健・介護・保育・障がい者施設などの事業を展開する、社会福祉法人聖隷福祉事業団(静岡県浜松市)は、入居者の快適な介護居室生活と介護職員の負担軽減に向けて、専門医が考案したクラウド型見守りシステムを導入し、新たな介護サービスの充実を図っています。
80施設以上の導入実績ある「ライフリズムナビ®+Dr.」導入
聖隷が導入した見守りシステムは、エコナビスタ(東京都千代田区)が提供するクラウド型高齢者見守りシステム「ライフリズムナビ®+Dr.」。エコナビスタは、住宅設備機器の一括制御技術を基礎に、大阪市立大学医学部疲労医学講座の研究成果を応用させることで、快適、安全な理想空間を創造するスリープテックベンチャー企業です。
「ライフリズムナビ®+Dr.」にもそのノウハウが取り込まれていて、介護現場や高齢者の状況を専門医によるアイデアが活かされてシステムとなっています。センサーを活用したシステムでIoTやビッグデータ、AIといった最新のテクノロジーを駆使することで、介護の現場での業務を削減し、介護職員の負担を軽減します。2021年2月時点で、導入施設数は80施設以上となっています。
居室ベッドのマットレスの下の非接触睡眠センサーや介護居室内に温湿度センサー、天井やトイレへ人感センサーを配置。睡眠データ、温湿度データ、活動量データを取得し、介護職員に代わり身体状況や居室の活動状況を見守ります。
“非接触”で入居者のプライバシーを確保するとともに、居室内の生活情報も従来から介護職員が使用するエデンの園基幹システムEden Total System(以下、ETS)と連動し自動的に記録できることで、職員の記録業務の負担軽減にもつながります。
また、夜間帯2時間ごとの定時巡視業務・記録業務の入力時間が大幅に削減されることで、ケアの必要な入居者へ必要な時に介入する介護サービスへの質的転換をはじめ、夜勤職員の休憩時間が安定して確保できることによる業務の負担軽減を図ります。
あらたな介護サービスの在り方を創出しながら「聖隷DX」を推進
今回聖隷は、この「ライフリズムナビ®+Dr.」を介護付有料老人ホーム「浦安エデンの園」ほか5施設に導入し、介護居室の入居者を支える介護職員の負担軽減を図りながら、あらたな介護サービスのあり方をICT・IoTの活用により創出していくとしています。
今後、システムをより活かす方向で、施設内にサーマルカメラを設置し、体温計測、マスク着用の有無の判別を表示させるほか、ETSへ計測した体温を自動記録させていくことも計画。サーマルカメラには顔認証機能が搭載されているため、食事時の喫食データに連携させることも可能で、将来的には、介護居室だけでなく一般居室にも提供していくことを検討しているといいます。
「中期事業計画時にまとめた「Vision2025」にて推進している「聖隷DX」に向けて、「ライフリズムナビ®+Dr.」で取得したデータとETSで入力された記録データを有効活用していきます。介護報酬改定においても求められる科学的介護への対応にとどまらず、少人数であっても質の高い介護サービスの提供を可能にしながら、効率性の高い業務体制を構築し人材不足を根本から変えるビジネスモデルを確立していきます。入居者・介護職員だけでなく、ご家族はもとより、連携する事業所・機関にも安心できる「聖隷DX」を構築していきます。」
とコメントしています。