人との接触に細心の注意が求められるコロナ禍にあって、サービスロボットの存在感が高まっています。その安全規格について、このほど日本品質保証機構(JQA)が、わかりやすく解説した「サービスロボット安全性規格の紹介」動画を公開しました。
サービスロボットの発展を認証サービスで支えるJQA
一般財団法人 日本品質保証機構(JQA、東京都千代田)は、日本のモノづくりとサービス産業の発展を、検査や試験、検定や認証サービスで支えてきた日本の代表的な認証機関。NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「生活支援ロボット実用化プロジェクト」への参画や、同プロジェクトを通じたISO 13482規格策定活動に参加し、同規格に基づく認証制度の開発を担当しています。
そのJQAが安全性規格について紹介したサービスロボットは、特に新型コロナウイルス感染症の拡大によって大きく変化した生活様式に、その存在価値をますます高めているといえます。
サービスロボットとは、主にサービス業で使われている「人の役に立つロボット」の総称です。人が行う作業をロボットが代行・補助することで体力的な負担や手間の軽減、危機回避などでの活躍の期待が大きく、作業効率が大きくアップするとされています。
代表的なものに、人工知能で会話をして受付の役目を果たしたり、商品を運んだりする「接客用ロボット」、商業施設や病院施設などで清掃作業を行う「清掃用ロボット」など、すでに身近なところで数多くのサービスロボットが活躍しています。
介護分野でも、介護者や被介護者の支援に活用される「介護用ロボット」があり、今後もさらなる活躍が期待されています。
同時に、注目されるのが、その安全性です。人と共存して作業することが期待されているサービスロボットは、使用時での感電、やけど、誤作動による傷害などが起きないように、安全性についての配慮がより一層求められます。
サービスロボット安全性3つの規格
JQAが今回公開した動画では、サービスロボットの安全性に関する以下3規格について紹介されています。
ISO 13482
サービスロボットの安全性に関する規格。医療用途で使われるものを除き、利用者の生活の質の向上のために各 種サービスを提供するロボットの安全要求事項をまとめた国際標準規格。
JIS Y1001
サービスロボットを利用してサービスを提供する事業者が行う、運用上の要求事項をまとめたJIS規格。
IEC 61508
機能安全の最も機能的な国際規格。「機能安全」とは本質安全で除去できなかったリスクに対する安全方策の一 つとして、安全機能を持つシステムでリスクを許容可能なレベルまで低減する方策。
サービスロボットの製造事業者、サービスロボットの導入検討や情報収集をしている人も、参考にしておきたい内容と言えます。