介護施設向けに医療相談を提供するドクターメイト(東京都港区)は、主催のオンラインセミナーに参加した介護事業所職員を対象に人材確保に関するアンケート調査を実施。未経験者の採用には慎重な姿勢である現状が見て取れました。
厚労省の支援金施策を背景に調査
深刻な人材不足が恒常的な課題である介護業界。2025年には介護需要に対して、約32万人の介護人材が不足するとみられています。
厚生労働省や各自治体は、他業界から新たに介護職員となって働き始める人に”支援金”として最大20万円を貸し付ける「介護分野就職支援金貸付事業」を開始、仕事を2年以上続ければ返済を全額免除するという施策を始めました。
この施策、介護事業者側ではどのように受けとめているのでしょうか。
その視点から、ドクターメイトは「介護業界未経験者の採用意向」と「業界未経験者の採用に関して不安に感じる点」について調査しました。未経験者の採用には慎重な姿勢を示す現状が見られました。
以下に調査結果を示します。
※「ドクターメイト株式会社」調べ
Q.介護業界の未経験者を採用する予定はありますか?
介護業界未経験者の採用意向について、「複数人を積極的に採用したい」「採用したい」と回答した介護事業所担当者は全体の43%に留まり、人材確保に大きな課題を感じながらも、半数以上の事業所が業界未経験者の採用には慎重な姿勢であることが分かりました。
・複数人を積極的に採用したい:15%
・採用したい:28%
・採用するか検討中:36%
・未経験者の採用予定はない:21%
Q.他業界からの未経験者採用に対して不安に感じる点はありますか?
(複数回答)
業界未経験者の採用に関して不安に感じる点について複数回答で聞いたところ、68%の介護事業所担当者が「短期間で離職しないかどうか」に不安を感じていると回答。
次いで「教育する時間を作れるかどうか」(41%)、「一通り任せられるようになるまでどれくらい時間がかかるのか」(34%)となりました。
回答した介護事業所担当者からは「社会福祉に従事するという自覚や倫理観の有無・誰でもできるという業界イメージへの軽視もあるのではないか」という声も寄せられました。
・教育をする時間を作れるか不安:22人(41%)
・新人教育のための教材等を準備できるか不安:8人(15%)
・一通り任せられるようになるまで、どれくらい時間がかかるか不安:18人(34%)
・短期間で離職しないかどうか不安:36人(66%)
・その他:5人(9%)
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