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微細な力加減を制御するキヤノンの薄型で高精度の力覚センサー

ICT・テクノロジー

キヤノンは、ロボットアームなどに搭載することで、物を動かす際の荷重や回転させる力の大きさ・方向を測定でき、人の手のような感覚を持たせることができる力覚センサーを発表。青山学院大がケアロボットに応用するなどヘルスケア分野での活用も期待されます。

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力覚センサーは人手に頼っている作業の自動化に貢献

キヤノンが開発した力覚センサー新製品「FH-300-20」は、長年技術を培ってきたキヤノンのエンコーダー(※1)を搭載し、薄型・軽量化と高精度を両立したセンサー。さまざまな作業を行うロボットアームなどに搭載することができ、人手に頼っている作業の自動化が可能になります。
※1. モーターの軸の回転角度(位置)を検出するセンサー

そもそも力覚センサーとは何でしょうか?
複数の向きに作用する力、軸にかかる回転方向の力(トルク)の大きさををリアルタイムに計測することができるセンサーです。
簡単に言うと、ロボットハンドに人間に備わっている触覚を与えるようなもの。ものに触れると、どの程度の力で持てるか、どの程度優しく扱うべきか、といったことが瞬時に判断できます。同様に、力覚センサーを備えたロボットは、持ち上げたりつかんだりする際の力を絶妙な加減で制御することができます。

「FH-300-20」の特長
・複数のエンコーダーを同一の電気基板上に配置することで、厚さ約20mm、質量約250gの薄型・軽量を可能に。また低ノイズ化で、微小な動きも検出可能な高い能力での測定を実現しています。
・ロボットアームのシステムからの計測要求に約300μs(※2)の速さで瞬時に応答する独自のアルゴリズム採用。繊細なはめ込み作業など、高精度なロボットアームなどに求められる高速な制御に対応できます。
※2. マイクロセック。100万分の1秒。
・国際電気標準会議が定める水や異物侵入の保護等級の規格「IP65」の防じん/防滴性能を保持。「防じん性能6級」「防滴性能5級」の防水、防じん性能を実現し、さまざまな環境での使用が可能となっています。

微細な力加減を制御するキヤノンの薄型で高精度の力覚センサー

FH-300-20

微細な力加減を制御するキヤノンの薄型で高精度の力覚センサー

20mmの薄型を実現

微細な力加減を制御するキヤノンの薄型で高精度の力覚センサー

ロボットアームでの使用例(イメージ)

 

青山学院大知能ロボティクス研究室がケアロボットに採用

この力覚センサーを活用し、ヘルスケアを担うケアロボットを開発した青山学院大学 知技能ロボティクス研究室。ウェルビーイングを増幅する“心身を健康・幸福にするマッサージシステム”を構築しています。

同研究グループでは、「人の身体に、ロボットが触れる」ことのフィジカルインタラクションを通して、心身の状態推定および遷移を意図した最適なセラピーを提供するケアロボット技術を提案しています。

フィジカルケアの効果の増大は心と身体の動的な相互作用によって発現するという考えのもと、身体への物理的刺激が心に密接に関係の解明を研究テーマに、具体的な解析アプローチとして、身体への正確な刺激を与えるためにロボットによる人の情動価(快-不快)と自己主体感(自分の意図どおりに操縦しているという実感)の関係解析、それに基づくマッサージ刺激に着目しています。
マッサージシステムは、そうした研究のプラットフォームシステムとする位置づけで、体験型となるロボティックベッドを製作、「次世代介護テクノロジー展」(2023年3月22日(水)~24日(金)東京ビッグサイト)で展示紹介される予定です。

微細な力加減を制御するキヤノンの薄型で高精度の力覚センサー

マッサージ指圧をするロボティックベッド

 

力覚センサー「FH-300-20」
https://canon.jp/business/solution/indtech/forcetorque-sensor
青山学院大学 知技能ロボティクス研究室
https://isr.me.aoyama.ac.jp

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