厚生労働省が運用する科学的介護情報システム「LIFE」への対応など、「LIFEの活用を前提としたDXコンサルティング」サービスを展開中の九州工業大学発ベンチャー・AUTOCARE(福岡県北九州市)。LIFEデータを簡単に編集できる「LIFEワークシート」を無償で提供するなか、帳票を自動的に作成できる「LIFE帳票作成ワークシート」を開発し提供を開始。ユーザの声とともにその特長を取り上げます。
無償提供「LIFEワークシート」ベースに帳票を自動作成
AUTOCAREが開発した「LIFE帳票作成ワークシート」は、LIFEデータを簡単に編集して提出用CSVファイルを作れる無用提供中のシステム「LIFEワークシート」を用いることで、通所介護計画書や個別機能訓練計画書のような帳票を自動的に作成できるツール。
利用者ごとに3ヶ月、6ヶ月ごとといった帳票作成のスケジュール管理も行え、毎月出力する帳票の選択も可能となっています。
「LIFE帳票作成ワークシート」概要
次のような帳票が一気に作成されます。
– 個別機能訓練計画書(別紙様式3)
– 通所介護計画書(別紙様式3-4)
– 科学的介護推進に関する評価別紙様式1(通所)
– 興味関心チェックシート3-1
– 口腔栄養スクリーニング(別紙6)
– 生活機能チェックシート3-2
– Barthel Index
利用者ごとに、3ヶ月ごと、6ヶ月ごと、7ヶ月ごと、といった帳票出力タイミングを表で管理できます。
そうすると、年月を選んだときに対象の利用者を自動的に絞り込むことができます。
通所介護事業者の「LIFE帳票作成ワークシート」導入コメント
このほどAUTOCAREから、「LIFE帳票作成ワークシート」を導入した通所介護事業者・リハビリデイサービスプラスワン(山口県山陽小野田市)のコメントが公表されました。以下要約し紹介します。
Q: 科学的介護情報システムLIFEに関して困りごとはありましたか?
A: 科学的介護に関しては、加算という方法で、厚労省が方向性を打ち出しているわけなので、加算は積極的にとっていくべきだと思っています。
LIFEの様式を見たら、ほとんどの内容が、これまでの通所介護計画書、個別機能訓練計画書、ADL、Barthel Index (BI) と同じだということが分かりました。
ですが、
・今使っている介護ソフトは、LIFEには一部しか対応しないと言うこと
・LIFEサイトに直接入力した場合は、帳票の作成やデータの活用ができない
という問題点がありました。
今使っている介護ソフトでは、介護記録と請求機能を利用しています。ただ、通所介護計画書や個別機能訓練計画書などの帳票はExcelで作成していました。
このExcelを使ったやり方をなるだけ変えずにLIFEに対応したい、というのが悩みどころでした。
Q: 今回どういう機能を開発依頼しましたか?
A: そんな折、井上教授が無料で配布されているLIFEワークシートを知りました。
このLIFEワークシートに入力してその上で自動的に帳票が作成できるようになれば、入力を1回で済ませることができるようになる、と考え、AUTOCAREさんに相談したところ、Googleスプレッドシートの追加でできる、とのことでしたので、今回の開発を依頼しました。
また、LIFEの提出時期が利用者によって変わるのもネックでした。通所介護計画書、個別機能訓練計画書は3ヶ月ごと、栄養スクリーニングは6ヶ月、BIは7ヶ月ごとに管理できる機能を依頼しました。
Q: LIFEワークシートを、使ってみた結果はどうでしたか?
A: 今、ほとんどの入力が終わって、LIFEサイトに提出したらエラーが出たのを取り除いている状況です。
正直に言うと、LIFEサイトに入力したとしても、1回目はそんなに差はないと思いますが、次回以降は前回の入力ファイルを利用してそれを修正するだけですむので、非常に楽になりそうです。
LIFEワークシートに入力すると、一覧を見ることができたり、コピペしたり、まとめて入力したりが非常にしやすいです。
これまでのやり方の通り、まずは帳票に入力して、その内容がLIFEワークシートに反映されたほうが、今までと業務の流れが変わらないのでスムーズかとも考えましたが、まとめて入力するにはLIFEワークシートの方がいいですね。
Q: 経営に効果はありそうでしょうか?
A: 残業して入力しないといけなかったところを「LIFE帳票作成ワークシート」のおかげで、残業を避けることができました(笑)。
特に次回の入力からは、データを再利用して修正できるので、かなり時間短縮できそうです。
Q: 今後の開発の参考にさせていただきたいんですが、可視化したら面白そうなところはありますか?
A: BIの点数の変化、要介護度の変化、評価の推移など可視化すれば、ご家族やケアマネジャーへのアピールになりますね。本人の頑張りにも活かせると思います。
LIFEワークシートを活用すれば、データが残せるので、いろいろな報告書を作成などが可能ですね。
こういった、表計算をベースとしたLIFEワークシートなので、柔軟なデータ活用ができるところが、これから経営の様々な側面で効いてくると思います!
・関連リンク
AUTOCARE ホームページ https://autocare.ai/