全国社会福祉法人経営者協議会(東京都千代田区)は、社会福祉の現場の第一線で活躍する若手職員を表彰する「社会福祉ヒーローズ」を開催、SNSで「介護の仕事」の魅力を発信する兵庫県の介護福祉士・稲葉夏輝さん(35歳)がグランプリを受賞しました。
全国応募から選出された6名の若手職員がプレゼンで競う
全国社会福祉法人経営者協議会は、2月28日(火)に、プレゼンで“日本一の福祉ヒーロー”を決める全国大会「社会福祉ヒーローズ トーキョー 2022」を、東京の会場で開催しました。
「社会福祉ヒーローズ」賞は様々な個性や想いを発揮し、柔軟な発想のもとで地域に求められる取り組みができる人材の確保・育成・定着につなげたい考えのもとから企画されたもの。
主に「クリエイティブで、最先端な福祉の仕事」に取り組む若手職員の挑戦を広く発信することで、現場の職員と未来の福祉を担う学生に、目標や奮起を与えていきたいとの狙いがあります。
当日は選抜されたファイナリスト6名が全国各地から集結し、地域での活動や実践している挑戦(介護・保育・障がい者支援等)について、ステージで熱くスピーチしました。
審査は「社会福祉の世界を変える意欲と実績のある若手」を基準とし、会場参加した大学教授や福祉関連の学生起業家ら有識者に加え、オンライン中継を視聴した大学生や専門学生らによる投票で選出。その結果、最多得票者の稲葉さんが最多得票を得て、最優秀賞「ベストヒーロー賞」の栄冠を手にしています。
稲葉さんは、勤務する介護老人福祉施設「やまゆりの里」で、SNSを通じ、施設の日常生活を発信。介護の仕事の魅力を広げることに挑戦しています。
授賞スピーチでは「福祉の魅力がたくさんの方に伝わるように、一生懸命、そして楽しんで、お年寄りと接して、SNSで発信していき、これからたくさんの方が福祉を仕事にしたいと思ってもらえるような投稿を引き続きしていきたい」と、未来への抱負を語りました。
稲葉さんの活動
業界随一のフォロワー数を誇る施設のTikTok・Instagramで「介護の仕事」の魅力を発信し、人材採用
所属する介護老人福祉施設「やまゆりの里」(兵庫県丹波篠山市)はTikTokとInstagramあわせて約3万5000のフォロワーがいます(2023年1月現在)。そうしたファンを増やすのが稲葉さんの役目。
「利用者の夢を叶える介護」をテーマに「入居者さまの願いを叶え、笑顔になっていただきたい」という思いで発信を続けています。
職員による夢を叶えるストーリーと利用者の自然な笑顔が、SNS上で共感や感動を呼び、フォロワーが急増し採用面でも反響があり、青森や東京、福岡など全国各地から就職の希望があり、約4年間で15人の採用が実現したといいます。
「介護はクリエイティブで、笑顔を増やせる仕事。きつい、汚いなど大変そうな業界のイメージを、TikTokとInstagramを使って一新させ、介護の仕事を“なりたい職業ナンバーワン”にする」。この思いが、稲葉を動かす原動力となっています。
「社会福祉ヒーローズ」2022年は創設以来、過去最多の職員が応募
“社会福祉版の甲子園”ともいえる「社会福祉ヒーローズ」賞は、全国社会福祉法人経営者協議会が福祉の魅力発信を目的に2018年3月に創設されたもの。
応募対象は、介護、保育、障がい者支援などに従事する20~30代の若手職員。5回目となる今回は、応募者数は全国各地から過去最多の68人となっています。
“創意工夫を凝らした新たな福祉”に挑戦する6県(千葉・神奈川・兵庫・岡山・島根・大分)の6名が全国大会に選出、2022年度の「社会福祉ヒーローズ」賞を授与しています。
▼全国大会「社会福祉ヒーローズ トーキョー 2022」アーカイブ配信
「社会福祉ヒーローズ」公式サイト
http://www.shafuku-heros.com/