老人ホーム検索サイト「みんなの介護」運営のクーリエ(東京都渋谷区)が介護業界の求人状況のレポート、人材不足の対策としてスキルを問わないことで求人施策を取っていることがわかりました。
2025年には約37万人の介護職員不足に
クーリエでは、介護情報の総合ポータルサイト「みんなの介護」介護の⼈材採⽤メディア「みんなの介護求⼈」などのサイト運営で得た知見を基に、介護事業の課題や社会的事象を調査・研究しています。
今回「介護業界の求人状況」をテーマにした調査では、2025年に約800万人の団塊の世代が後期高齢者となり国民の4人に1人が75歳以上となることから、約37万人の介護職員が不足するとされる未曽有の人材不足の危機に対し、介護業界は「未経験かつ無資格」者の求人割合を増やす求人施策を取っていることが分かりました。
調査では「みんなの介護求人」が保有するデータを基に、2020年5月1日時点と2022年5月1日時点の介護職とヘルパーの求人票のデータを比較し、その変化を分析しています。
スキルなしの求人で確立される“介護モデル”
2022年5月に「みんなの介護求人」に掲載されている介護職・ヘルパーの全67,715件の求人のうち、未経験かつ無資格者の求人応募を受け付けている求人票は43,060件をかぞえ、全体の61%にも及びます。
2020年は当該条件で全43,708件のうち21,198件が該当。半数を満たしていなかったことからも、2年でその割合が大きく上昇していることが分かります。
介護分野の業務には、生活援助業務(利用者に直接はふれられないが、資格保有者のサポートなら可)、送迎(職員・利用者)、事務作業など「無資格・未経験」でも比較的着手しやすい業務が多数あることも、その傾向を後押ししていると言えます。
特に事務作業は、介護職員の一日の仕事の10分の1を占めるともいわれ、人材補充による業務の改善は生産性向上のためにも必須とされます。
未経験・無資格者への積極求人を推進する“介護モデル”は、人材不足の一つの解決策になり得るようです。
調査期間: 2020年5月30日時点・2022年5月30日時点
調査サイト:https://job.minnanokaigo.com/
調査方法: インターネット調査
対象:求人条件に「未経験可」「無資格可」としている求人票
調査機関: みんなの介護求人(株式会社クーリエ)
介護情報の総合ポータルサイト「みんなの介護」
https://www.minnanokaigo.com/
介護の⼈材採⽤メディア「みんなの介護求⼈」
https://job.minnanokaigo.com/