高齢者の「ねむりの見守り」で健康維持・改善、天理市が初採用

ねむりのDXカンパニーNo.1を目指すNTT PARAVITA（大阪市）が地域住民の健康維持・改善、疾病予防にむけた「ねむりの見守り」を奈良県天理市が採用、住民へのサービスが開始されました。

自治体が抱える介護予防プログラムへの課題解決を目指す

「ねむりの見守り」サービスを提供するNTT PARAVITAは、NTT西日本とパラマウントベッドによる合弁会社で2021年7月に創業されたヘルスケアカンパニーです。

自治体向けサービスとして展開する「ねむりの見守り」は、睡眠センサーを活用した地域住民の健康維持・改善、疾病の予防をめざすもの。
多くの高齢者が悩みを抱える“睡眠”に着目し、日常的な生活行動から計測できるシート型のセンサーで計測した睡眠データを専門家による改善アドバイス付きで行動変容を促します。

自治体では、社会保障費増大に対する問題意識、介護予防プログラムの参加率の低さ、行動変容の働きかけの難しさ等の問題・課題を抱えている現状から、その解決につながるサービスとして位置づけられます。

アドバイスを実施している様子（令和3年の実証時）

実証事業における睡眠改善効果を経て天理市が事業化

本サービスを採用する前、天理市では経済産業省のヘルスケア事業に対する補助金による実証事業（＊1）で、ICTを活用して地域の社会課題の解決に取り組むNTT西日本の提案を採択、睡眠の改善効果に手ごたえを得たことがきっかけとなっています。

同事業では、39名を対象に“睡眠スコア”“睡眠時間”“睡眠効率”“中途覚醒”“離床回数”の改善を評価、その結果2/3程度の参加者に睡眠の改善が見られ、特に“睡眠時間”は33名に対して改善効果が見られたとしています。
その実証を経て、65歳以上の天理市在住の方を対象にした「天理市睡眠サポートプログラム」としてサービス開始に至っものです。

実証参加者からは次のような感想が届いており、睡眠改善による健康効果が期待されます。

「天理市睡眠サポートプログラム」実施概要

「天理市睡眠サポートプログラム」は、成果連動型民間委託契約方式（PFS：Pay For Success）を採用します。

短期アウトカムとして、睡眠改善への意識及び健康意識の向上につなげ、睡眠時間や睡眠効率などの睡眠の質や主観的睡眠感の向上を図り、中期アウトカムとして、精神的・心理的健康を維持・改善し精神的心理的介護（うつ症状やうつ傾向）の予防につなげます。
また、生活習慣の改善指導による日中の活動量増加などから筋肉量の増加などの身体的介護予防も促し、より包括的な介護予防を図ることをめざします。

睡眠センサーを活用し、睡眠改善から住民の健康維持・改善をめざすPFS事業は、日本初の事例となるものです。（＊2）

「ねむりの見守り」サービスを提供するNTT PARAVITAでは、今後について次のようにコメントしています。

「地域包括ケアシステムへの連携を模索することで、睡眠習慣や生活習慣をきっかけとして高齢者の生活を早期にサポートできる地域の仕組みづくりをめざします。また、中長期的な健康への効果や、医療費・介護費抑制効果の事例を積み重ねることで、他自治体様への導入拡大にも力を入れていきます。」

「ねむりの見守り」提供内容
・導入自治体におけるサービス利用者（住民）の募集サポート
・利用者へのご利用説明会実施
・利用者への睡眠センサーの貸与
・利用者への定期的な睡眠レポートの送付
・利用者への定期的な改善アドバイスの実施
・導入自治体への結果レポート

貸し出しするセンサー「Active Sleep Analyzer」

提供するレポートサンプル

サービス提供イメージ

「天理市睡眠サポートプログラム」 https://www.city.tenri.nara.jp/info/9926.html
「ねむりの見守り」詳細　https://nemurinomimamori.nttparavita.com

（＊1）「令和3年度ヘルスケアサービス社会実装事業補助金 地域や職域の課題に応えるビジネスモデル確立に向けた実証事業」
（＊2）専門家へのヒアリングおよび内閣府「成果連動型民間委託契約方式（PFS：Pay For Success）ポータルサイト」内のPFS事業事例集 https://www8.cao.go.jp/pfs/jirei.html を用いた、NTT PARAVITA調べ（2022年5月）