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ケアマネ8割「心拍に異常があれば必ず受診勧奨」も症状リスク理解は不十分

ケアマネ8割「心拍に異常があれば必ず受診勧奨」も症状リスク理解は不十分 調査

ケアマネジャー対象のWebサイトやリハビリ型デイサービス展開など健康寿命の延伸に貢献するインターネットインフィニティー(東京都品川区)は、ケアマネジャーに向け心房細動と脳梗塞の再発予防に関するアンケートを実施、結果を公開しました。

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心房細動や心原性脳塞栓症のリスクに対する理解は不十分

脳血管疾患は、要介護高齢者の介護が必要になる原因として2番目に多く、全体の16.6%を占めており、適切なケアマネジメント手法の手引きにおいては、疾患別ケアの例として挙げられています。

今回インターネットインフィニティーが実施した調査結果からは、脳梗塞のリスクについての理解や利用者の脳梗塞の再発リスクについての状況把握は十分ではないこと、心房細動の治療法の理解不足であることなどが見て取れました。

一方で、利用者の服薬アドヒアランス低下に気づいたとき医療者に報告・相談している傾向にあることから、この割合を高めることで、医療と介護の連携を促進することにつながるものとしています。

以下、調査結果を取り上げます。
*掲載内容は「ケアマネジメント・オンライン」調べ

ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査

■調査概要
調査名:CMNRメディカル(第28回) 「心房細動と脳梗塞の再発予防に関するアンケート」
期間:2021年8月13日~2021年8月19日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー(居宅介護支援事業所、地域包括支援センターに勤務)
調査サンプル数:561名
調査方法:WEBアンケート

ケアマネジャーが思う寝たきりになるリスクが高い脳梗塞
心原性脳塞栓症のリスクについての理解度を3択で質問したところ、寝たきりになるリスクが最も高い脳梗塞の種類として「心原性脳塞栓症」を選択したケアマネジャーは約半数にとどまっていました。

ケアマネ8割「心拍に異常があれば必ず受診勧奨」も症状リスク理解は不十分

介護保険法第二条2項には、「保険給付は、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならない」と記されています。
要介護状態の悪化に影響を及ぼす要因として、心原性脳塞栓症は大きなリスクの一つなので、ケアマネジャーがそれを理解できていない現状には問題があると言えます。

心原性脳梗塞の利用者を担当している
次に、実際にケアマネジャーが担当利用者の脳梗塞の原因についてどのくらい把握しているのか見てみると、その状況把握は不十分であることが明らかになりました。

ケアマネ8割「心拍に異常があれば必ず受診勧奨」も症状リスク理解は不十分

脳梗塞を起こしたことがある担当利用者の中に「心原性脳梗塞の方」がいるか尋ねたところ、4割以上のケアマネジャーが「分からない」と回答していました。

ケアマネ8割「心拍に異常があれば必ず受診勧奨」も症状リスク理解は不十分

血液をサラサラにする薬の服薬アドヒアランスが低下している利用者を担当している
さらに、「血液をさらさらにする薬の服薬アドヒアランスが低下している方」がいるか問うたところ、約3割が「分からない」と回答しており、治療状況についても把握できていないケアマネジャーがいることが明らかになりました。
また、「いない」という回答は57%にとどまっており、服薬アドヒアランスが低下している利用者を担当しているケアマネジャーは少なくないことが分かりました。

知っている心房細動の治療法
加えて、ケアマネジャーは心房細動の治療法の種類をどのくらい知っているか見てみました。

ケアマネ8割「心拍に異常があれば必ず受診勧奨」も症状リスク理解は不十分
すると、「薬物治療(85.0%)」「ペースメーカー植え込み(67.0%)」「カテーテルアブレーション(58.6%)」については多くのケアマネジャーが知っていた一方で、「メイズ手術(3.4%)」「左心耳閉鎖術(2.7%)」についてはほとんどがその治療法の存在を知りませんでした。

ケアマネジャーは介護従事者なので、様々な治療法を知らなくても当然かもしれません。しかし、心房細動の治療法には様々な選択肢があることを知っていれば、多様なニーズを持つ利用者それぞれにより良い働きかけができるようになるのではないでしょうか。

心拍に問題があるがそれを受診していない利用者が10人いた場合に受診勧奨する割合
一方で、ケアマネジャーは現状、脳梗塞のリスクについての理解や、利用者の脳梗塞の再発リスクについての状況把握が不十分であるものの、受診勧奨に関しては驚きの結果が見られました。

ケアマネ8割「心拍に異常があれば必ず受診勧奨」も症状リスク理解は不十分
それは、心拍に異常がある利用者に対する受診勧奨についてです。
ケアマネジャーに、心拍(脈)に問題があるが受診していない利用者が10人いた場合そのうち何人に受診勧奨するか尋ねたところ、8割以上のケアマネジャーが「全員」と回答しました。ケアマネジャーに受診勧奨される利用者の割合は、平均すると91.0%でした。

この結果から、ケアマネジャーは、心拍に異常がある場合は積極的に受診勧奨しているようです。これは心房細動やそれによりもたらされる心原性脳塞栓症を警戒して受診勧奨しているというよりは、単純に心臓の病気が怖いからという心配からくる行動なのではないでしょうか。

ケアマネジャーは、リスクを正しく理解できれば積極的に行動するようですので、心房細動や心原性脳塞栓症のリスクが正しく理解されれば、脳梗塞の原因把握や服薬アドヒアランスの向上などの好ましい行動が増えると考えられます。
また、本調査では、56.0%のケアマネジャーが、利用者の服薬アドヒアランス低下に気づいたとき医療者に報告・相談していることが分かりました。ケアマネジャーへの正しい知識の啓発は、この割合をさらに高め、医療と介護の連携を促進することにつながるでしょう。

心房細動や心原性脳塞栓症の治療をして脳梗塞の予防に努めることは、ケアマネジャーにとっても業務の本来の目的に合致するものです。ケアマネジャーへの正しい知識の啓発により脳梗塞予防の新たなアプローチになり得るのではないかと考えます。

利用者が適切な治療を受けられるように、多職種でサポートする体制を整えるためにも、ケアマネジャーの活躍が期待されています。

▼関連リンク
本調査データ詳細提供(メールフォーム)
https://www.caremanagement.jp/inquiries/company
ケアマネジメント・オンライン
https://www.caremanagement.jp/

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