「ケアマネジメント・オンライン」を運営するインターネットインフィニティ―(東京都品川区)が全国のケアマネジャーを対象に実施した、新型コロナウイルスのワクチンに関しての調査結果を公表、95%が「副作用」を懸念するなど実態がつかめました。概要を取り上げます。
ワクチンに対する正しい知識の啓発が望まれる結果に
今回の「ケアマネジャーの新型コロナワクチン接種意向に関するアンケート」は、インターネットインフィニティーがケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査サービス『CMNRメディカル』の19回目の調査として実施したもの。
調査結果からは、ケアマネジャーの95%が新型コロナワクチンの安全性に懸念を抱いていることや、ワクチンを接種したいと思っているケアマネジャーは約半数であることなど、ワクチンに対する意識がわかりました。
結果に対し同社では、
「重症化リスクが高い要介護高齢者や、密を伴うサービスを提供する介護従事者は、率先してワクチンを接種する必要があります。要介護高齢者や介護従事者に影響力を持つケアマネジャーに対して新型コロナワクチンに対する正しい知識の啓発をすることが望まれます。」
とコメントしています。
調査名:CMNRメディカル(第19回) 「ケアマネジャーの新型コロナワクチン接種意向に関するアンケート」
期間:2020年12月8日~2020年12月14日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー(居宅介護支援事業所に勤務)
調査サンプル数:760名
調査方法:WEBアンケート
「ケアマネジャーの新型コロナワクチン接種意向に関するアンケート」結果
Q. 新型コロナワクチン接種に対するケアマネジャーの印象
まず、新型コロナワクチンに対するケアマネジャーの印象について見ていきます。
新型コロナウイルスのワクチン接種を「自分自身がしたいと思うか」「介護保険サービス利用者(以下:利用者)にしてほしいと思うか」「利用者家族にしてほしいと思うか」と尋ねたところ、いずれにおいても、約半数のケアマネジャーが「とても思う」「少し思う」と回答しました。
Q. ケアマネジャーによるワクチン接種の推奨意向
続いて、ケアマネジャーによるワクチン接種の推奨意向について見ていきます。
新型コロナワクチンの接種を担当利用者に勧めるか尋ねると、4人に1人が「今はまだ分からない」と回答しました。一方で、例年インフルエンザのワクチン接種は、約半数が「全員に勧めている」と回答していました。
このことから、インフルエンザのワクチン接種はよく勧めるケアマネジャーですが、新型コロナワクチンを勧めることには、まだかなりためらいがあるということがうかがえます。
Q. 新型コロナワクチン接種に関してケアマネジャーが心配に思っていること
多くのケアマネジャーが、新型コロナワクチンの接種を推奨することにためらいを感じているのはなぜでしょうか。
ワクチン接種に関して心配に思っていることを聞くと、そのほとんどが「ワクチンの安全性(副作用)(95.0%)」を挙げました。また、「高齢者や基礎疾患がある人にも効果があるか(62.2%)」や「効果の持続期間(57.4%)」といったワクチンの効果についても多く挙がりました。
Q. 身近に感染者がいるケアマネジャー
このように、ケアマネジャーの新型コロナワクチンに対する信頼性が低い状況のなか、身近な感染者は確実に増えています。実際に、職場やサービス事業者、利用者・家族の中に感染者がいると回答した割合は22.9%と、4月に実施した調査から3.6倍になっていました。
新型コロナウイルスのワクチン接種は、重症化リスクが高い要介護高齢者や密が避けられないサービスを提供している介護従事者などには、特に必要とされているもの。
今回の結果を受け、同社では
「現状のケアマネジャーによる認識のままでは、新型コロナワクチンが例年のインフルエンザワクチンに比べて接種されづらくなると懸念されます。
要介護高齢者が安心してワクチンを接種できるようになるには、介護領域の要であるケアマネジャーに対して新型コロナワクチンに関する正しい情報を届け、正しい認識を持ってもらうことも重要であると考えられます。」
としています。